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5月 2018

Written By: sax on 5月 23, 2018 No Comment

サックス奏者が絶対に起こってほしくない事故は、「自分のサックスが車に轢かれてペシャンコになる」でしょうか(?)。その次位のレベル(?)のアクシデントが、「サックスの盗難」でしょう。決して遭遇したくない、このアクシデントについて考えましょう。

冒頭から怖いことを話すようで恐縮ですが、皆さんはリハーサルスタジオやカラオケ店で個人練習をするとき、自分のサックスやその周りの物の「盗難」に注意を払っていますか?さすがにサックス本体の「置き引き」の話しはあまり聞きませんが、マウスピースやメトロノーム、チューナーや録音機の盗難は、決して珍しい話ではありません。一般的にスタジオやカラオケ店の個室には鍵は着いていません。あなたがトイレに行った時、一服しに喫煙室に行ってる間、ロビーでコーヒー休憩しながらスマホでメールを打っているとき、あなたのサックスもマウスピースも、すべての持ち物は「無防備」なのです。部屋がいくつもある大きなスタジオやカラオケ店では、あなたの「留守」を見計らって、不届き者がこっそり部屋に入っても、誰にも見とがめられない確率は高いでしょう。昔は「スタジオ荒らし」は決して珍しくなく、利用者は細心の注意を払っていました。監視カメラが発達した現代でも、その手の悪行は無くなりはしないようですし、たとえ犯人を特定できる手段があっても、そこまでお店側か対応してくれるかの問題もあります。練習個室を離れるときは、大事なものは身に着けて出て行くか、分かり難いようにケースや大きなカバンの中に仕舞っておくのが得策です。

 

 サックスを電車の網棚に置き忘れて、後で気が付いたが出てこなかった。駐車場で車上荒らしにあい、トランクに入れておいたサックスが盗られた。野外ライブに出演し、バンド用の楽器置き場に置いておいた楽器が、いつの間にか無くなった。など等。みんな、「有り得る」悲しい話です。楽器が盗難にあったら、当然警察に盗難届を出します。楽器のシリアル番号は重要な情報です。写真や形状の特徴、モデル名、ケースのメーカー等も役に立ちます。とはいえ警察もあなたのサックスの為だけに仕事をしてくれるわけではありません。近隣の質屋さんや中古楽器買取りの店に情報を提供し、その楽器が持ち込まれたら連絡を欲しい旨お願いをしておくのも良いでしょう。SNSで情報を拡散するのも最近の常とう手段です。楽器保険も各損保保険会社が扱っていますが、保険料が出てもあなたのサックスは戻りません。ましてやヴィンテージサックスの場合は、保険会社からお金をもらっても、もうどうにもなるものではありません。保険金で同等品は買えても、あなたが吹いていたあの楽器ではないのですから。

所有する楽器が盗難にあえば、それは身を切られるほどの辛さでしょう。まずは絶対に目を離さない。目を離すときには絶対に取られない、チェーンロックやアラーム等の工夫をする。シリアル番号の控えや写真など、盗難届の際の資料の準備をしておく。今日の話しを聞いて、少しでも注意していただければ幸いです。

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Written By: sax on 5月 16, 2018 No Comment

サックスを吹いていると、避けることが出来ない…が、避けられるモノなら避けたいし、挑戦してもなかなか思うようにならない、ある技術の問題にぶち当たります。ビブラートです。ビブラートの有る無し、上手い下手でその音楽の表情は格段と変化します。ビブラートのかかった美しいサックスの音色は、聞いているものを恍惚とさせ、音楽の作った世界に引き込むほどの魅力を持ちます。ビブラートの練習に近道はありません。ひたすら練習を繰り返してください。

 ビブラートには音量型と音程型があります。前者は音量が小刻みに震え、後者は基準音を中心に音程が高低に揺れる音です。サックスのビブラートの基本は後者の音程型です。下あごを小刻みに前後させることでアンブシャの締まり具合を変化させ、音のピッチを変化させます。この顎の動きから「縦ビブラート」と呼ばれる場合もあります。音量型のビブラートはフルートなどの楽器で多用されますが、サックスの演奏で使う場合もあります。柔らかな音質で、ゆったりとした音量型のビブラートをかけると、風のうねりや小川のせせらぎをイメージするような優しいサウンドになります。基本、音量型のビブラートは腹筋で息の圧力をコントロールすることでおこないますが、同時に口腔内の形を変える事でより繊細に音量型のビブラートを生み出すことが出来ます。頬を動かす感じになるので、先の「縦ビブラート」に対して、「横ビブラート」と呼ばれたりもします。

 ビブラートは1拍に4回が基本、と言われますが、これは音程型のビブラートの場合です。往年のスイングビッグバンドのビブラートがこれに当たります。しかし正直なところ、1拍に4回、つまり16分音符の長さでぴったりビブラートをかけられたら奇跡です。重要なのは「合わせる」事です。ビブラートのタイミングがサックスセクション全体で合っていないと、それはまあ「ぐしゃぐしゃ」な音になります。揺れのタイミングも深さも、ぴったりと合うよう練習しましょう。音量型のビブラートは、アンサンブルよりもソロの演奏に使いたい「感情表現」のひとつです。長い音から次の音への変化の前に、助走として音量型のビブラートを付けると、よりフレーズに感情がこもります。パターンの定石はありませんので、名人たちの録音を聴き込んで真似ることで練習してください。

 ビブラートは、「オウオウオウオウ」やら「アウアウアウアウ」などの発音で練習するよう解説されている場合が多いようですが、自分に向いたやりかたは人それぞれです。手段を考えるより、自分のやりたい結果をイメージしての練習が重要です。ロングトーンでゆっくりとピッチを上げ下げし、その上げ下げのスピードを上げていきます。このとき「これ以上上げられない」と感じたら、きっと上げ下げの方法が間違っています。音量型ビブラートの練習でも同じです。求める結果は同じでも、それを実現する方法は人それぞれです。だからビブラートは難しいんです!

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Written By: sax on 5月 9, 2018 No Comment

サックス奏者の中には、サックス好きが高じて、サックスの調整や修理、改造に手を出す方々が少なくありません。そんなサックス奏者のサックスケースの中には、「何故?」と言いたくなるような工具や部品が入っていたりします。いわく、「突然の故障や不具合にも、いつでも対応出来るよう、工具や部品を持ち歩いている。」、とのこと。かなりの大掛かりな調整や修理も、DIY精神を発揮し自分でやってしまうようです。そんなマニアックサックス奏者仲間への「お誘い」として、サックスの調整・修理についてお話しします。

 ぶつけたり、倒したりしてサックス管体に出来た「打痕」、いわゆる凹みは、裏側から押すことで直します。長くて丈夫な「芯金」という金属棒を固定し、その先端に磨き上げた金属球(テントボール)を取り付けます。そしてサックスの管体を手で持って芯金を内側に差し込んでいき、凹んだ部分に芯金の先端の金属球を擦りつけて、内側の凹みを外へ押し出します。感が勝負の難しい作業です。また芯金でなく、「マグネットデントボール」という道具で直す方法もあります。強力な磁石と大きさの違う超硬金属ボールがセットになったもので、管体の外側に磁石、内側には金属ボールを当て、両者がくっ付こうとする力で凹みを潰していきます。サックス管体の金属の凹みを平らにしてしまうほどの強力な磁気ですので、使うときには細心の注意が必要です。最近では人間の手術に使うカテーテルとステントのような凹み修理道具もあるようです。凹みの場所まで管を差し込み、根元の機械のペダルを踏むと管の先端の部分が膨らみ、管体を内側から押し出します。

 テナーサックスの場合、最高音のF♯キーは無くても替え指で対応出来ます。逆にF♯キーが有ることで、楽器が重くなり響きに影響が出るとか、F♯のトーンホールで倍音が少なくなる、等の理由で「F♯キーを取ってしまう」改造が珍しくありません。F♯キーのメカニズムは意外に簡単に取り外せます。難しいのはパッドが無くなって開放になってしまったF♯トーンホールの塞ぎです。トーンホールにピッタリとした円形の銅板をロウ付けして穴をぴったり塞ぎます。銅板は管体内側の表面に凹凸無く付けなければいけませんので、管体の曲面に合った円弧を描いていなければなりません。ちょっと難しいかな?
 サックス奏者の多くの方が「やりたい!」のがパッド(タンポ)交換でしょうか。パッドの交換には、交換するパッド、熱で溶ける接着剤のシェラック、炎るバーナー、パッドを平たく押さえるタンポヘラ、トーンホールとパッドの間の隙間を確認するリークライト、等が必要です。比較的頻繁に交換が必要な高音部のトーンホールのパッドは、多くのキーが独立していますし、パッドもトーンホールも小さいので、交換はそんなに難しくありません。挑戦する価値はあると思います。
 サックスの修理・調整・改造の道具は、ほとんどネットから入手可能です。どうですか?やる気になりました?

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Written By: sax on 5月 2, 2018 No Comment

管楽器が音を発するには空気が必要です。人間の身体から発する空気で管楽器は音を鳴らします。サックスにしろトランペットにしろ、音の根源である息の供給をおこなうための呼吸、そしてそれを楽器に最適化するための呼吸法は、楽器をより良く鳴らすうえで必須の技術です。呼吸法、ブレスについて考えてみましょう。
 息を吐くためにはまず吸わなければなりません。サックスの呼吸法に関する教材では、多くの場合、この「息の吸い方」から学習を始めます。近年のサックス用呼吸法の解説には、 「背筋で腹腔を下側に広げ、肩甲骨を上げながら胸郭を広げて、瞬時に大量の息を吸い込む」、という上下から肺を引っ張って、最大限の空気を体に入れる方法が推奨されているようです。お腹の力だけで息をコントロールせず、身体全体で肺の容量を最大限にするという、「新腹式呼吸」とも言える呼吸法です。人間の身体の動きに関する限り、この方法が最善の方法です。「管楽器は腹で吹く」なんて思っていた方は、ちょっと頭を切り替えて、新しい吸気の理論を研究してください。「空気は肺にしか入らない→ならば肺を最大限に膨らませよう→下から上からそして前から肺を外側に引っ張る!」という概念から出てきた吸気法です。

 解剖学的には理論立った呼吸法でも、サックス奏者の立場で考えるともうひと工夫がなされます。まず呼吸のサイクルを、「吐くと吸う」という2アクションでなく3アクションで考える呼吸法です。アクション1は「息を吸う為に息を吐き切り、かつ身体全体の準備をする。アクション2は「体全体でたっぷりの息を吸い込む」、そしてアクション3は「楽器を鳴らしながら、ゆっくりとコントロールしながら息を吐く」です。アクション1と2は瞬間です。アクション3は出来る限り時間を取る、「サウンド」のためのアクションです。楽器を鳴らしながらの呼吸では、無意識のうちにアクション1を奏者はおこなっています。これをあえて意識することで、スムースにアクション2に移行出来、より良い吸気が出来るようです。
 たっぷりと息を吸うのは、長いフレーズを吹き切るためだけにする訳ではありません。サックスを鳴らしている間、リードの振動は楽器だけでなく、奏者の身体全体に共鳴します。血や肉には振動はあまり伝わりませんが、骨や肺の中の空気は、楽器から出るサウンドに影響を与えるほど振動するようです。なんてことを言っても、科学的な実験で証明されているわけでは無いようです。ただし経験的に、肺が息をたっぷり含んだの時に出すサウンドのほうが、息を排出しきる寸前のサウンドより「良く響く」という事は、サックス奏者の皆さんが実感していることではないでしょうか。限界容量の70%の息より、100%に近い息を吸ったほうが、絶対に良いサックスサウンドが得られます。沢山の空気が身体に力を与えてくれるのかもしれません。ということで、たっぷりと息を吸うのはとても重要です。良いブレスはサウンドにも確実に良い影響を与えます。

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