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3月 2017

Written By: sax on 3月 29, 2017 No Comment

最近のサックスケースの進化には目を見張るものがあります。丈夫で軽くて機能的で、昔の「管楽器と言えば木箱ケース」の時代とは隔世の感があります。そして最近のサックスケースの多くが備えている機能が、「バックパック型に背負える」ということです。ケースの裏に下駄の鼻緒のようにベルトが付いており、リュックサックのように背中に背負えるサックスケースです。楽器を持っての移動時でも、両手が開いているのでとても便利、かつ安全です。今日はサックス奏者のケースおよび荷物の持ち方について考えてみましょう。
 背負えるサックスケースを使って楽器を運ぶ時、注意すべきなのが「重心」です。軽いサックスならさほど問題にはなりませんが、テナーやバリトンサックスを背中に背負って移動するときは、ケース全体の重心があまり上に来ないように注意してください。何故ならば、「転び易くなる」からです。テナーサックスやバリトンサックスがケースに入っていれば、それ全体はかなりの重量の「荷物」です。重心が高くなれば、少しの弾みでバランスを崩し、悪くすれば転倒することになります。楽器を背負って前に倒れれば、あなたは楽器と道の間に挟まれて、楽器の重量ごと床に叩きつけられます。楽器を後ろに倒れれば、楽器はその重量プラスあなたの体に押しつぶされます。どちらにしろ、あなた自身にも楽器にも相当なダメージは避けられないでしょう。重心さえ低く保っておけば、「バタン」が「コテン」くらいに回避できるかもしれません。また、背中のケースの重心が低いほうが、歩くときに余計な力を入れないで済みます。ただし肩紐を延ばし過ぎてケースを下にし過ぎると、足に当たり、かえって歩き難い場合もあります。

 サックスにはダブルケースやトリプルケース等、複数の楽器をひとつのケースで収納できるものもあります。また、周辺小物の収容能力が高く、スタンドや譜面台、相当量の譜面等、かなりの荷物をひとパックに出来るものが少なくありません。しかしひとつの荷物にしても、その荷物の総量が軽くなる訳ではありません。ひとによっては「分散派」として、「背中や両手に荷物を分けたほうが軽く感じるし、移動がし易い!」、という方もいます。とはいえ、両手がふさがっているのは、かなり危ない感じはします。
 そういえば、楽器を手に持った状態で万が一転ぶようなことがあったら、まず楽器を手放して、両手で身を守る動作をするよう日頃から意識するのが良いと思います。なにか楽器に愛情が無い、楽器が壊れそう、と思うかもしれませんが、冷静に状況を考えると、転びそうなときに楽器を手放したほうが、結果的に楽器や自分の体へのダメージが少ないはずです。 「結果、転ばなかった。」ならハッピーエンドですが、「楽器を守って頭から転んだ!」となることは、決して少ない確率ではありません。

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Written By: sax on 3月 22, 2017 No Comment

管楽器は空気を振動させて音を出す道具です。その楽器の長さ、もしくは共振する波長によって、その楽器から出る音の高さが決まります。普通の気温の変化程度では、楽器素材の熱膨張は無視できるほどの些細なものです。すると、気温が上がると空気の波長が変わり、その長さの楽器で出る音の振動数が大きくなる、つまり音が高くなってしまいます。楽器がいつもより冷えているとき、いつも吹き方では楽器から出る音は低くなります。そして楽器を吹くにしたがって暖かい息が楽器の中を温めていき、音がだんだん高くなります。今日は温度とピッチのコントロールについてお話しします。
 真冬のアンサンブル練習。みんなが楽器を準備したら、各々が自分の楽器をチューニングします。練習が進むにつれて、楽器達のハーモニーが崩れていきます。みんなの楽器のピッチがめちゃくちゃ高くなっています。真夏の野外コンサート。控室でチューニングしたはずなのに、楽器のピッチがどんどん高くなっていきます。自分の音を聞きながら、マウスピースを抜いてピッチを合わせていますが、もうこれ以上抜けません。楽器はもの凄く熱くなっています。皆さんにもこんな経験はありませんか?サックスでもトランペットでも、管楽器は冷えていれば音のピッチが低くなり、熱くなれば高くなります。奏者の息の温度は36度前後で均一ですので、外気の寒さやエアコンで冷えた楽器を吹いていれば、だんだん温まりピッチが高くなります。真夏の日差しで高温になった管楽器は、息を通したくらいでは温度は下がってくれません。アッチッチでピッチの恐ろしく高い楽器になります。
 サックスに限らず、管楽器奏者はこの「楽器の温度と気温」に注意して演奏しなければなりません。「ウォーミングアップ」とは、演奏前の肩慣らしだけでなく、文字通り「楽器を温める」ことが必要です。あなたの楽器が冷たいと感じたら、全トーンホールを塞ぎ、温かい息を大量にサックスに入れましょう。マウスピースやネックを手で温めるのも効果的です。ベルに軽くタオルを詰め、低い「ド」の運指で息を入れると、息が楽器を効率的に温めてくれます。温まった楽器は決して寒い場所には持って行かないように。すぐに冷たくなってしまいます。ステージ本番前などで楽器を温める時間が無い場合は、楽器が吹いていると温まり、ピッチが上がることを想定してチューニングをします。あらかじめ低めにチューニングする、ということです。もしくはアンブシャを強めに、口をきつく締めた状態でチューニングをし、演奏中に普通に戻していく、という難度の高いやり方もあります。
 炎天下の直射日光で熱くなった楽器は…。霧吹きをして楽器を冷やすトロンボーン奏者を見たことかおりますが、効果はどうなのでしょう。日陰に入るのが一番。日向に出ない、楽器を日向に置かないのが基本です。

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Written By: sax on 3月 15, 2017 No Comment

最近のサックス奏者が使うサックスケースは、箱型ケースか「コンツアー型」と呼ばれるパックケースがほとんどです。箱型ケースも軽量化の工夫や、背負えるベルトが付いたりと、昔の重たくてかさ張る箱型サックスケースとは大違いです。パックケースも数々の工夫で、丈夫で軽く、持ち運び易いものが沢山出回っています。あれ?硬いハードケースも良いけれど、めちゃくちゃ軽いあのソフトケースはどこに行ったのでしょう。今日はソフトケースの話しです。
 プラスチックや人工樹脂の種類が増え、強度や加工方法が進歩してきた結果、サックスケースには軽量でもしっかりとした強度を持ったものが数多く、かつ安価で出回っています。しかしこんなに「プラスチック」が高機能になる前、サックスのケースは木製の箱型ケースとソフトケースの2種類だけでした。そして、「スタイリッシュに移動したい」、もしくは、「重いのは嫌!」、と我儘な(?)ジャズサックス奏者が、かなりの割合で「ソフトケース」で自分のサックスを運んでいました。その頃のソフトケースはほとんどが革製。厚手の丈夫な皮革を、職人がひとつひとつ縫製して作っていた革製ソフトケースは、使い込むほどに革に重厚さが増し、まあなんとも「ジャズ」な存在でした。この「渋さ」ゆえ、今でも革製ソフトケースを使っている管楽器プレーヤーは少なくはありません。厚手の革はそれ自体である程度の強度があり、適度な柔らかさと硬さが楽器を守ってくれます。そう、サックスに革シャンを着せた感じですかね。布製のソフトケースにも良いものが沢山あります。布と言っても、高い強度の合成繊維で作られた布や樹脂シートが使われており、簡単には破れないものがほとんどです。本革よりも抜群に軽く、かなりの安価のものでもしっかりとしています。テナーサックス用でも数百グラムなんて製品もあります。

 ソフトケースの軽さは言うまでもありません。本革製の格好良さ、布製の手軽さ。なのになぜ皆、ソフトケースを使わないのでしょう。ソフトケースを敬遠する楽器奏者は口を揃えて、「強度がないから楽器が心配」、とソフトケースの弱点を指摘します。しかしよく考えてください。ソフトケースはその名の通りソフトなので、パックケースや箱型ハードケースと違って、簡単に変形してしまいます。板と板に挟まれたらサックスもろとも潰れてしまいます。その上に座ってしまったら、中のサックスもつぶれるでしょう。しかし、そんな状況ってそう頻繁にありますか?倒したり、ぶつけたり、押されたりした時の強度は、さほど「変形しないケース」に劣る訳ではありません。丁寧に扱い、ぶつけずに、倒さずに、押さずに持って歩けば、ソフトケースもそんなに「弱いケース」ではありません。とんでもなく軽量なソフトケースは、荷物が沢山あるサックス奏者にとって、結構盲点だった解決策ではないでしょうか?

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Written By: sax on 3月 8, 2017 No Comment

前回はアルトサックスとテナーサックスの違いをお話ししましたので、今回はソプラノとアルトの違いをお話しします。サックスの持ち替え演奏をお考えの方や、「ケニーGが大好きなんですが、サックス入門にソプラノサックスはどうですか?」、などとお考えの方にポイントを合わせてお話しします。
 そもそもソプラノサックスは吹き難いサックスです。というより、「かなり高度な演奏技術が必要なサックス」、と呼んでも良いと思います。しかし最近では、数々の近代技術で吹き易さが実現された、「意外と吹き易いソプラノサックス」が数多くあります。近年の有名メーカーのソプラノサックスなら、初心者の方々でも恐れる必要は無いと思います。でもヴィンテージのソプラノサックスは別格です。音程のコントロールが難しく、無造作に吹いたら音楽にはなりませんのでご注意ください。
 ソプラノサックスの高音域では、口の締め方の強弱で音のピッチが極端に変わります。マウスピースはアルトサックスよりもかなり小さく、マウスピースの直径という点て、口輪筋 (口の周りの筋肉)を使ってマウスピースを締め付けるのが、極端に難しくなります。またマウスピースの短さが理由で、タンギングにも微妙なコントロールが必要となります。フラジオ音域も出し難いです。ま、そもそも高音域のサックスですので、それ以上の高音域が必要かどうかは疑問ですが…。トーンホールとパッドも、ソプラノサックスのものはとても小さくなります。各部が小さいので調整も微妙で、狂い易いですし、小さなトーンホールには、少しの汚れが溜まっていても音に影響が出ます。コンディションの維持にはより繊細な注意が必要です。

 ソプラノサックスについて、やたら脅かしてしまいましたが、良い点も沢山あります。とにかく軽くて小さいのは、ソプラノサックスの長所でしょう。また特徴のあるサウンドも、ソプラノサックスの魅力です。音域によってサウンドの性質が極端に変わるのがソプラノサックスの特徴で、アルトサックスの音域を吹いても、すぐに「あ、ソプラノ!」と分かります。そのサウンドは他のサックスには無い「味」があり、好きになると病み付きになります。サックス界の「クサヤ」(分からない人、ごめんなさい。)ですかね。
 ソプラノサックスが難易度の高いサックスと言われるのは、テナーとアルトの差と比較しての事だと思います。ジャズのジャンルではテナーサックス奏者もアルトサックス奏者も、さほど苦労せずに持ち替えて演奏しています。要は、「基礎演奏技術」がしっかりしていれば、どんなサックスでも臨機応変な奏法の微調整で、吹きこなすことは難しくない、ということです。バリトンサックスも独特の演奏方法が求められ、ある意味かなり難しいサックスです。でも「サックス演奏の基礎技術」は共通のものがあると思います。結論は、「どんなサックスも楽しいし、かっこ良いから、恐れずに挑戦しよう!」、ですね。

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Written By: sax on 3月 1, 2017 No Comment

サックスという楽器はある意味面倒です。一般的に楽器屋さんに飾ってあるサックスでも、バリトン、テナー、アルト、ソプラノと4種類もあります。特殊な種類ではバスサックス、コントラバスサックス、チューバックス、ソプラニーノ、ソプリロ、なんてサックスたちもあります。音域によって違う種類のサックスがあるわけですが、こんなにバリエーションが多い楽器は管楽器でもサックスくらいでしょう。ま、祖先とも言えるリコーダーでは、同等に沢山の種類があるようですが。サックスを始めようとしている方々には、「どう違うの?」と質問され、既にいずれかのサックスを吹いているサックス奏者の方々には、「これとどう違うの?」、と訊かれます。ではアルトサックスとテナーサックスの違いを、ざっくりとお話ししましょう。
 まずキーが違います。アルトはE♭調でテナーはB♭調です。「ド」を吹くとアルトはミ♭、テナーはシ♭の音が鳴ります。マウスピースの口径も違います。一般的に、音域が低いほうが太くて大きいマウスピースが必要です。リードの面積(長さと幅)も違います。流用することは出来ません。楽器全体の重さも違います。管体の全長が違うので、その分テナーのほうが金属がたくさん使われています。ストラップは同じものが使え、テナー用、アルト用の区別は無いようです。スワブ(内部を清掃する道具)はテナーとアルトでは大きさが違います。管の最小径が違うので同じものは使えません。テナーにアルト用のスワブを使えばスカスカですし、アルトにテナー用スワブを使えば、管の中で詰まること必至です。

 もう少し突っ込んだ違いをお話ししましょう。テナーとアルトでは、奏者が口や息の調整でおこなう、「イントネーション(音の高さ)の補正」の方法が異なります。アルトと同じ吹き方でテナーを吹くと、微妙に「音痴な音階」になります。「ピッチの取り易さ」、という意味からいえばアルトサックスに利かあると思います。演奏に必要な息の量もアルトとテナーでは違います。やはり大きなテナーのほうが、息を沢山必要とします。ただし奏法がちゃんとしていれば、そんなに無理な息の量が必要なわけではありません。フラジオ(高音域)の運指もテナーとアルトでは少々違います。出易い音も違います。テナーは奏者・奏法の違いによる「サウンドの変化」が、アルトより大きいと言われています。ジャズのジャンルで言えば、「個性が出し易い」、逆にクラッシックのサックスアンサンブルのジャンルでは、「他のサックスのサウンドに合わせ難い」、ということになります。
 テナーとアルト、どちらのサックスが取っ付き易い?と言われたら、「アルトサックス」です。大きさや重量も良い按配ですし、サックスの中では一番音が出し易く、かつ美しい音にたどり着き易いと思います。とはいえ、その後の苦労はそれなりに必要ですが、「入門サックス」には、私はアルトをお勧めします。

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