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サックス 練習・レッスン

Written By: sax on 10月 4, 2017 No Comment

今日のテーマは、改めて口にするのもばかばかしい位の常套句、「どうしたらサックスが上手になるか」です。しかしサックス初心者からプロ奏者まで、「どうしたら上手くなるか」は絶えず悩んでいることです。ぽんと、どうしたら少しでも近道が出来るんでしょう。一緒に考えてみましょう。
 サックスを上手くなりたい自分としては、他の楽器から何かを「パクれないか」をしばしば考えます。同じ木管楽器の「フルート」や金管楽器の花形「トランペット」はどうなんでしょう。何か上手くなる特効薬がないのか聞いてみました。答えは皆同じ。「練習だよ!」でした。ですよね…。あ、でもフルートやトランペットの練習を見ていたら、何かが違います。同じ指使いで違う音が出ています。サックスは音に対して指使いが決まっています。サックスの「運指表」では基本的に全部の音に指使いが決まっており、ある運指をすれば、基本的に該当する音が出てくれます。オクターブ上はオクターブキーを押し、その上の音はサイドキーの操作で出てくれます。これって、他の楽器では信じられない「楽なこと」なんです。金管楽器は倍音の積み重ねと、それに対する管長の操作で音を出しています。トランペットでは第1バルブを押すと1音下がり、第2バルブを押すと半音下がり、第3バルブを押すと1音半下がる仕組みになっているので、唇で倍音の基音を出し、バルブ操作でそれを下げて音を出します。フルートもオクターブキーが無いので、唇から出す息のスピードや太さを変えて倍音を出します。
 サックスは科学技術の力によって、特定の音を究極に出し易くした楽器です。奏者がさほど苦労しなくとも、指定された指使いさえすれば、決められた音が出てくれます。実はサックス奏者にとって、ここが大きな問題なのです。サックスはオクターブキーを押して、左手人差し指と中指を閉じれば「ラ」の音が出ます。しかしフルートは同じ指使いでもオクターブ下の音が出たり、他の倍音が出ます。トランペットも同様です。唇や口の中の容積、息のコントロールで、「ラを出そう」としなければ、「ラ」は出ないのです。サックス奏者のかなりの人たちが、「出ちやった音」でサックスを演奏しています。それを「出した音」にすればサウンドの質も向上し、コントロールの方法も明確になります。サックス奏者が出す音を意識して初めて、サックスと一体化した最高の音が出せるのです。
 面倒臭い理屈を言いましたが、実践は簡単です。頭の中で出したい音の高さと音質を「歌う」のです。楽器なしで歌うときの喉、呼吸、身体全体の状態を意識して、その体勢で息を入れてサックスを吹くのです。これによってびっくりするほどサウンドが改善しますが、決して簡単なことではありません。歌いながらスケールを吹いてみましょう。歌いながらフレーズを吹いてみましょう。サックスそのものと奏者が一体になって音を出す。これが、サックスが上手くなる練習の原点です。
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Written By: sax on 9月 13, 2017 No Comment

音楽をやっていると、なにかとスポーツと比較されることが多いような気がします。学生であれば、軽音楽部や吹奏楽部の部員達は、野球部やサッカー部等の「体育会系」と比べられ、「軟弱だ!」と言われることが少なくありません。しかし楽器を演奏するという事は体を動かすことです。特に管楽器はスポーツに匹敵するほど体力を使う事もあります。そう、我々サックス奏者も体育会系のみんなのように、練習や試合(本番のステージ)での「体力配分」や「疲れのコントロール」を考えることはとても重要です。
 スポーツの練習で重要なことは基礎体力と技術の向上です。サッカーなら45分ずつの前半後半を乗り切れる体力を養い、相手に負けない技を鍛えます。サックスならどうでしょう。何曲吹いても疲れて緩まない唇の筋肉、楽器を支える首の力、素早いタンギングをするための舌の動き、超絶フレーズを吹くための指の操作等を鍛えるのでしょうか?ロングトーンや基礎練習は、そんな目的のためにやってるんですよね…。って、違いますよぉ~!。スポーツの練習では確かに体力増強を目指しますが、それが最終目的ではありません。長い試合時間を、能力を衰えさせることなく乗り切ることが本当の目的で、体力増強はそのひとつの手段です。例え体力が向上しなくても、45分間フルスピードでプレイできる「疲れない走り方」が出来たなら、それでも良いのです。サックスも同じです。練習で「鍛える」ことを目的にするのはあまり感心しません。とかく練習というと苦しいことを繰り返し、その苦しさに打ち勝つことが練習の成果と考えてしまうことが多いようです。スポーツなら、ひょっとしたらそれはあっているのかもしれませんが、サックスなどの楽器に関しては、「違う」と断言できます。サックス等管楽器の練習の重要な目的のひとつは、「疲れない吹き方を身に着ける」という事だからです。練習の本質を深く考えれば、スポーツも楽器も同じです。いつでも、どんな状況でも、自分の能力を最大限に引き出せるようにするのが「基礎体力」です。ロングトーンの練習をするときは、いかに楽に、無理をせずに、美しく均一な音を長い間出すことの出来る「楽な吹き方」を探す練習をお勧めします。これが「疲れのコントロール」です。こう吹くと疲れない、また、疲れてきたらこう吹けば音がぶれない。そんなことを意識しながらの練習が効果的です。
 また多くの音楽指導者の方々が、「欠点直しの練習に終始するのは感心しない」と言っています。吹けないフレーズをゆっくりと何百回も繰り返せば、だんだん吹けるようになって来ます。しかしそんな練習は疲れるだけです。マイナス面を消すだけの練習では、何も新しいものは生まれません。3時間の練習が疲れるだけで楽しいですか?そこにも疲れのコントロールが必要です。得意な部分をより強調するための練習や、好きなフレーズをより滑らかに吹く練習など、「練習での心の疲れ」に配慮した練習を心掛けてみたらいかがでしょう。
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Written By: sax on 8月 9, 2017 No Comment
音楽だもん、楽にしなくちゃ。

音楽の「楽」に引っ掛けた粋なタイトルのつもりなので、出来たら気付いてくださいね。今回は管楽器奏者の多くが経験している、「頑張り病」という恐ろしい病気の話しです。年長のベテランサックス奏者は、この「頑張り病」のことを、「若気(わかげ)の至り」とも言っていました。管楽器奏者の場合の「若気の至り」は、歳をとっても治らないものもあります。ではサックス奏者の「頑張り病」とは…。
 テナーサックス奏者の皆さん、マウスピースのティップオープニング(先端の開き)はいくつですか?7、8、あたりですかね。でも、9とか10とか、なんとなく広いティップオープニングに憧れていませんか。伝説のブロー派のテナー奏者には、広いティップのマウスピースを使って、ゴリゴリと太い音で吹きまくる「ホンカー(テキサステナーとかブローテナーとかとも呼ばれます)」が数多く存在します。そんなレジェンド達に憧れて、「広いティップはカッコ良い!」なんてイメージを持っているのではないでしょうか。確かに広いティップのマウスピースは大きくて太い、独特のサウンドを出すことが出来ます。しかし必要な息の量やスピード、唇でのコントロールは超絶難しく、狂い易い音程を矯正するのも至難の業です。難しいからカッコ良い、挑戦する価値があるという考えもありますが、その努力や挑戦で得られるものの「価値」と「効率」を考えることが必要です。いくら太くて豪快なサウンドでも、音程が危うければ音楽としては考えものです。もの凄く頑張って、何かを失っているのではないでしょうか?
 ロングトーンの練習は基本中の基本です。毎日5分、長く、揺れない音を息の続く限り延ばすことを繰り返します。唇の周りの口輪筋が鍛えられ、安定したアンブシャが完成していきます。長い息を出せるよう、正しい呼吸の方法も体に染みついてきます。…ですか?あなたがやっているロングトーン練習で、本当にそんな効果が出ていますか?決めた事だから、大事だからと、「頑張るための頑張り」になっていませんか?練習には練習の目的とその方法、進歩の確認、目標達成の確認方法等が必須です。でなければ、ただの「自己満足」で終わってしまいます。あるプロサックスプレーヤーは、「10秒で終わるロングトーンもあれば、10分でも納得できず、諦めて他の練習に移行する場合もある。要はそれで何を得たいかだよ。」、と言っていました。
 背筋を伸ばして、胸を開いて、あごを軽く上げる。サックスの演奏姿勢の基本ですね。でも、これって「自然」ですか?この姿勢を実現するために、身体のあちこちに無理な力が入っていませんか?この姿勢をしようとするがゆえに、無駄な力を入れ、かえって喉が細くなったり、肩が突っ張ったりしていませんか?そうです、形だけを追った努力は、「百害あって一利なし」なんです。サックスの上達には努力は絶対必要です。何の努力もなしに、サックスで素晴らしい音楽を演奏できる人など居る訳がありません。しかし努力の目標は、「美しい音楽を演奏する事」であり、そのために頑張っているのではないでしょうか。自分の頑張りの効果、バランス、要否、など等、しっかり考えながら頑張りましょう。不必要な辛い頑張りは、プラス面よりマイナス面のほうが多いです。頑張り病には要注意です。
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Written By: sax on 5月 3, 2017 No Comment

PA(ピーエー)アンプとは、Public Address Amplifier(パブリック・アドレス・アンプリファイアー)のことで、校内、工場内、店舗内、駅構内などで、沢山のひとにアナウンスを伝えたり、BGMを流したりする拡声システムの総称です。音楽関係に限れば、ステージの音をマイクで拾い、会場内の聴衆にバランス良く音を伝えるためのミキサー兼拡声装置です。リハーサルスタジオや音楽練習室には必ずと言って良いほど備えてありますし、ライブ会場などで、「機材はあるけど、ミキサー(音を調整する技術者)はいません。演奏者が操作してね。」という会場もあります。通常は技術者が操作しますので、面倒くさい操作を覚える必要は無いのですが、自分でPAアンプを操作する必要がある場合の、「困らないための超基本PA操作」をお教えしましょう。
 「PA」とざっくり称するものの対象は、マイク、ミキサー(ミキシング・コンソール:マイクからの音量や音質を整える機械)、増幅アンプ(スピーカーを鳴らすための増幅器)、スピーカー、の四種の器材から成り立つシステムです。操作らしい操作が必要なのはミキサーだけですので、今日の話しはほとんどミキサーの基本操作です。他の器材については、全部の機械をオンにしたのに、全く音が出てこない、なんて場合の対応に、音の入口のマイクから、出口のスピーカーまで、線がつながっているかどうかを確認するくらい良いでしょう。ミキサー(技術者ではなく機械です)はほとんどの場合つなげられるマイクの本数分のスライドボリューム(フェーダー)が付いています。フェーダーでは「入力のレベル」を操作します。一番上のポジションでは「マイクから音を沢山もらう」、一番下では「音をもらわない」となります。「GAIN」と書かれたボリュームも重要です。このボリュームはフェーダーで操作する前の入力の信号を、どの程度増幅するかのボリュームです。ミキサーにマイクではなく携帯ミュージックプレーヤーやスマホ等をつなげるときは、この「GAIN」で入力信号の加減をします。やたらノイズが入ってしまう場合は、このGAINを下げていくと止まる場合が多いです。
「PAN」と書かれたツマミは、ステレオスピーカーの左右(R&L)のバランス調整です。真ん中にすれば左右同じ音量、左右に振ると音がそっちに勣きます。 LOW、MID、HIGHのツマミは低音域、中音域、高音域の音成分の調整です。必ずミキサーの右にある赤い(ほとんどの場合)フェーダーは、マスターボリュームとしてスピーカーを鳴らす音量全体をひとまとめにコントロールするものです。
 なんとPAについて知っておくべきことはこの程度で十分です。マイクフェーダーとGAINは入れる量を、マスターボリュームは出す量をコントロールするのだという事を理解しておきましょう。入力機器を接続・脱着するときにはマスターボリュームを絞って、不用意な爆音がスピーカーから出ないようにし、音質がおかしいときはGAINやマイクフェーダーを調整すれば解決できる、と知っておけば十分です。これ以上の操作が必要になっても、この基本さえ押さえておけば、何とかなると思います。

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Written By: sax on 4月 26, 2017 No Comment

楽器演奏をするものにとって、人前で演奏する機会は大きな楽しみであり、同時にとても緊張するものでもあります。多分皆さんの多くは、人前で演奏するために日夜サックスの練習を積んでいると思いますが、練習と本番とでは緊張の度合いが大きく違います。ライブの本番前日なんて、目が冴えて眠れない、なんて人も沢山いるはずです。今日はステージでの本番前、準備を万全にし、自分をリラックスさせるための、「ルーティーン(必ずおこなう定番の動作)」の話をしましょう。音楽に限らず、演劇や講演、ダンスや演芸、ステージでおこなうどんなものでも、「手の平に人という字を書いて、それを飲み込む」なんていう、「人前であからないためのおまじない」があります。サックス奏者のステージ前のルーティーンも、実はそんな「おまじない」のひとつなのかもしれません。ただし根本は、「サックスという楽器を無事に吹ききるためのチェック」がそのルーティーンですので、覚えておおいて損は無いと思います。
 演奏本番前の大事なルーティーンのひとつに、「呼吸の確認と調整」があります。「ステージに立つ」とう緊張感は、知らず知らずに自分の体の各部をも緊張させています。緊張した体をリラックスさせ、いつものサックス用の呼吸が出来るようにしましょう。まず胸で数回深呼吸をし、続いて横隔膜を意識して最大に息を吸い込みましょう。喉を開いて、ゆっくりと「温かい息」を細く開けた口から吐いていきます。背筋の緊張もほぐしておきましょう。背中を丸めて床を見る姿勢から、ゆっくりと背中を延ばし、天井を見るまでぎゅっと背中をそらします。そのとき、両肩の力は、くるくると肩を回してリラックスさせましょう。体のためのルーティーンの基本はこんなもんでしょう。
 次は楽器、サックスのためのルーティーンです。ネックオクターブキーのシャフトスクリューが飛び出ていないか確認しましょう。演奏をしているとこのスクリューが緩んで出っ張って来ている場合があります。出ていたらドライバーで軽く締めこみましょう。ネックスクリュー(本体のジョイント側でネックを締め付けるネジ)は緩んでいないか。このネジが緩んでいると、ネックが回転したり、息が漏れて音がうまく出なくなったりします。うっかり緩んだままで演奏しがちですので注意してください。G#とC#のキーで、ちゃんとパッドが開くか。この二つのキーアクションは、閉まったパッドを開く動作です。パッドが卜-ンホールに張り付いていると、キー操作をしてもパッドが開かない場合がよくあります。くっ付いていたら手で開けて、張り付きを治しましょう。ルーティーンの最後はサックス管体のウォームアップです。すべてのキーを塞いで、温かい息をゆっくりと、そしてたっぷりとサックスの中に入れ、楽器全体を温めましょう。サックスに関しては、もっと色々な部分を確認したいところなのですが、ステージ袖で本番直前に直せる不具合はそんなに多くありません。直せない不具合は発見しないほうが良いのではないでしょうか。その類のチェックは演奏前のリハーサルや音合わせでやっておきましょうね。

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Written By: sax on 4月 19, 2017 No Comment

譜面はバンドの命であり宝です。ビッグバンドやブラスバンド等の大きな編成のバンドは皆、譜面の有無で一喜一憂します。やりたい曲を持っているか、買うための資金、欠譜(パート譜の一部欠損)、書き込みだらけで見難い譜面、違法コピーへの対処、などなど、演奏環境を整えるための譜面に関する問題は沢山あります。色々なバンドが苦労しながら譜面管理をしています。今日は譜面管理のポイントについて考えてみましょう。
 アマチュアビッグバンドでは、パートごとに譜面を管理しているケースが少なからず見受けられます。各パートのメンバーひとりひとりが責任を持って「自分の譜面」を管理するのは、人任せにしない意味でも重要です。あるバンドでは、バンド所有のオリジナル譜面のパートファイルと、メンバー持ち帰り用のコピーファイルと2種類を常に持ち、オリジナルの譜面は絶対に持ち帰らせない、かつ練習には必ずオリジナルを用意する、という譜面管理をしています。この方式の良い点は、どのパートのメンバーがリハーサルを休んでも、その代役(トラ)さえ確保すれば、代役はオリジナル譜面でリハを遂行できるという点です。持ち出し禁止ですので、揃っている譜面がいつの間にか欠譜するのも防げます。ただし何かの理由で欠譜してしまうと、その発覚が遅れ、取り返しのつかないことにもる場合もあります。この譜面管理方法の場合は普通、各曲には番号がふられており、番号でやる曲を指示します。ビッグバンド全盛時代の歴史的なビッグバンドのほとんどが、各メンバーが数百曲もの譜面を各自ステージに持参し、「ナンバーXX!」のリーダーの掛け声で演奏曲を選んだそうです。
 逆に曲ごとにまとめて譜面を管理しているバンドも沢山あります。レギュラーメンバーが決まっていないプロのバンドは皆この方式です。リハや本番でその曲をやる度に譜面を各メンバーに配布します。この場合は曲単位の管理がやり易いのですが、メンバーは個人練習のために必ず自分の譜面をコピーしなければなりません。ちなみに、バンドで購人した譜面を、メンバーが自分のパートをコピーして持っていることは違法ではないそうです。

 IT技術を使った近代の譜面管理の進歩も素晴らしいものがあります。あるバンドではすべての譜面をデータ化し、リハ前の「リハ告知メール」に、そのリハで練習する曲の譜面データを添付しています。メンバーはデータをプリントして持参すれば、そのリハで譜面に困ることは無い訳です。ま、事前にそのリハーサルで練習する曲を決める必要はあります。またプリンターを練習場に用意するバンドもあります。紙の譜面は普通に用意していますが、必要な譜面が見つからない場合、また急きょ参加した助っ人メンバーの為などに、グラウト (ネット上の保存場所)に保存した譜面データから必要なものをダウンロードして、その場でプリントしてしまう、という荒業です。同じ方法で自分のパートの譜面をグラウト保存し、リハや本番ではタブレットPCで譜面を見て演奏する、というIT系サックスプレーヤーも数多くいるようです。譜面めくりがちょっと面倒臭いらしいです。

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Written By: sax on 4月 12, 2017 No Comment

春となり、温かくなってくると外に出たくなります。サックス奏者の皆さんも、公園や空き地、河原などでの「外練」をしたくなる、おあつらえ向きの天気になってきます。サックスだけでなく、管楽器は総じて大きな音が出るため、家での練習にはいきおい制限がかかります。外で伸び伸びと大きな音が出せるこの季節、「外練」でのいくつかの注意を紹介しましょう。
 「外練」の基本は、なにはともあれ「自分」を大事にすることです。寒さや雨などの天候で「外錬」を強行すれば、あなたが風邪をひいてしまいます。サックスの練習で風邪をひいたなんて、誰も同情してくれません。まずは自分の体を第一にいたわってください。体の次にいたわるのが楽器です。サックスは木管楽器と言っても、ほとんどの部品は金属製なので、かなり丈夫な部類の管楽器です。クラリネットなど自然木材で出来た楽器は、室内と屋外との湿度や温度の差で木材が膨張してしまい、ひどい場合には主管の割れ(クラック)も引き起こしてしまいます。湿度はともかく、サックスも大きな温度差は決して良い条件ではありませんので、室温と外気の温度差には注意を払ってください。また、「外錬」での直射日光にも注意が必要です。サックスの表面処理にはラッカー等の塗料が使用されていますが、これらの塗料は概ね太陽光に含まれる紫外線の影響を受けます。強い紫外線下に長時間サックスをさらすことで、塗料の色が変色する「焼け」や、塗装面にしわがよる「ちじれ」等の影響が出る場合がありますので、夏の直射日光などには十分注意してください。
 「外錬」では風にも注意してください。ま、風が当たるくらいではサックスは壊れませんが、警戒ポイントは風が飛ばしてくる「砂ぼこり」です。外気には風に運ばれた細かい砂や埃が含まれ、空気中を舞っています。これらの砂や埃がサックスのシャフトの軸受けや、回転部に付着すると、機械油の中に留まって、可動部を擦る「やすり」のように機能してしまいます。目に見えないような砂埃でも、長い間にサックスの可動部をすり減らします。気が付いたら、「シャフトがガクガク」なんてことにもなり兼ねません。風邪で埃が舞っているような日に、外で練習するようなことは避けるのが賢明でしょう。
 「外錬」では、サックスの故障などの楽器への配慮に加え、練習の方法そのものにも注意が必要です。広い屋外では、自分のサックスの音を反射する壁等は無いことがほとんどですので、自分の耳を使った音量のコントロールが難しくなります。ついつい無理して大きな音を出してしまう傾向が出てきますので、それがもとで喉にダメージを与える場合もあります。また小さな音が聞こえ難いので、サックスのコントロールが雑になりがちです。しかし、広い場所で、自分の音を「遠くに飛ばす」のはとても気持ちが良く、かつ重要な練習です。気持ちの良い「外錬」をしてください。

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Written By: sax on 1月 25, 2017 No Comment

あなたが楽器と一緒に持ち歩く小物入れの中には何か入っていますか?コルクグリスや吸水ペーパー、マウスピースパッチの予備。このへんは基本形でしょう。ドライバーやラジオペンチ、ピンセット等が入っていれば、「ちょっとした不具合は自分で修理」派ですかね。バネ掛け工具やコルク/フェルトの予備、瞬間接着剤や小型バーナー、なんてものを持ち歩くのは「ほぼリペアマンプレーヤー」ですね。サックス奏者には、こんなに持ち歩く小物があるのですが、「手鏡」は持ち歩いていますか?「はあ、なんで?」と思われるかもしれませんが、「手鏡」は是非小物入れに入れておくことをお勧めします。手鏡の意外に便利な使い道についてお話しします。
 手鏡はもちろんステージ上で使うものではありません。ステージ本番直前に、「顔に何か付いてないか」、「ネクタイは曲がってないか」、等の確認には使えますね。でもここでお話ししたい手鏡の使い方は、練習に役立つ使い方です。大ざっぱに言えば、「鏡を使って自分の演奏状態を見て、色んなことをチェックし確認する」ために手鏡を使います。手鏡といっても文庫本くらいの、ある程度の大きさのものが使い易いと思います。
 鏡の術:その一、アンブシャチェック!手鏡で自分のアンブシャを確認しましょう。マウスピースを啼える深さ、上下、左右の角度、口の周りの筋肉の閉まり具合、下あごの前後運動のストローク等。これらのすべてを、サックスプレーヤーは「つもり」でやっています。しっかりと鏡で確認すると、「え?こんなに下から吹いてたの?」とか、「曲がってマウスピースを唾えてるよぉ。息が真っ直ぐ入るわけないじゃん。」、のようなポイントに気が付くことができます。また、鏡を見ながら、「もう少し深く加えると、どういうサウンドになるか」等の、奏法の研究をすることもできます。自分の「つもり」を、鏡を使えばしっかりと自分の目で確認することが出来るのです。
 手鏡をちょっと離れたところに置いたり、壁に掛けたりすれば、自分の演奏姿勢を確認することも出来ます。鏡の術:その二です。背筋の曲がり具合、首の突き出し具合、あごとマウスピース/ネックの角度、楽器と自分の距離、演奏姿勢の体のねじれ、ストラップが首周りのどこに位置しているか、など等、演奏姿勢の全般を確認してください。高い確率で発見できるポイントは、「楽で自然な姿勢をとっているつもりが、鏡で見たらとても苦しそうな姿勢だった。」等の発見です。もちろんそのような発見後は、「楽に見える姿勢」と「楽に感じる姿勢」とを比べながら、客観視と主観が一致する、最適な演奏姿勢を見つけ出す努力が必頂です。
 と、言いながら、実は私、最近は手鏡を持ち歩いていません。スマホという便利なものが出来たので、鏡が無くても「客観視による観察」が出来てしまいます。写真を撮って改善前と改善後との比較、なんてことも可能です。動画を撮るのも良いでしょう。世の中便利になりました。

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Written By: sax on 1月 11, 2017 No Comment

サックスは、「音楽を始める」のに非常に人気のある楽器ですが、最近は40代、50代のサックス入門者の方々が増えているそうです。「ギターじゃ誰でもやってるし、ピアノは基礎が要りそう。トランペットは音が大きいし、体力が要りそう。」、てな消去法でサックスを始めるようですが、理由は何にせよ、仲間が増えることは大歓迎です。でもその数だけ、「入門者の悩み」を抱えた「サックス奏者予備軍」が沢山いらっしゃいます。今日は、中高年のサックス入門仮想定番ストーリーを綴ってみました。参考になるかならないかは分かりませんが、まあ、「あるあるストーリー」として読んでみてください。
 サックスを始めたい。楽器の経験はない。とはいえ家族や同僚の前で、カッコ良く演奏したい。年齢的にはやっぱジャズだな。楽器を買おう。安いのは5万円。高いのは、え?2百万?24回払いのローンで一か月3〜5千円が妥当だろう。一回の飲み代程度だ。だと8万から10万以上のものが買える。ローンなら払ってる間は挫折して止めてしまうことも無いだろう。あ、知ってるメーカーが買える。アルトかな、テナーかな?サックスはアルトサックスが原型らしい。値段も安く、軽くて持ち運びも便利だ。うん、ナベサダもMALTAもアルトだし、アルトを買おう。どうやったら吹けるようになるんだろう。レッスンかな。個人レッスンは一か月1万円を超える。うん、最初は高くてもマンツーマンで吹けるようにして貰おう。ある程度吹けるようになったら、グループレッスンや独学に移るのもありだろう。

 スクールの発表会で、人前で初めて演奏した。興奮した。気持ちよかった。サックスを始めて本当に良かった。他の楽器の生徒さんから、バンドを組まないかと誘われた。みんな初心者なので気は楽だ。えーい、参加してしまえ。仲間と一緒に音楽をやるのはとても楽しい。お互いに初心者なりに知らないことを教え合える。ジャズの事も色々教えてもらった。しかしジャズはやはり難しいので、レパートリーの半分は昭和歌謡やポップスだ。でも、全員で音楽をやるのが楽しい。楽しいほうが良い演奏が出来ていると思う。個人練習とバンド練習の両立は大変だが、スタジオとカラオケボックスの併用でなんとかなっている。というか、休日が楽しくてしようがない。
 バンドの成長がメンバーの成長だ。レパートリーもしっくり来るようになってきた。楽器の演奏そのものに加え、演奏する音楽のサウンドが気になってきた。楽器付属のマウスピースを使ってきたが、そろそろ替え時だろう。知り合いが勧めてくれたメイヤーの5番を買った。これに合わせてリードやリガチャーも選んだ。なんか、それっぽいサウンドになって来た気がする。来月にはベースのAさんの職場のパーティーで演奏することになっている。もうすぐ楽器のローンが終わるが、こんなにサックスにのめり込むとは思わなかった。家族には「やり過ぎじゃない?」と言われている。でも、…。楽しい!
 どうですか?半分以上実話です。

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Written By: sax on 1月 4, 2017 No Comment

曲を始めるときは、リーダーなりコンサートマスター、もしくはドラマーの出す「カウント」でタイミングを合わせて合奏を始めます。この「カウント」で疑問を持ったことは有りませんか。いわゆる「指ぱっちん(英語でSnapping)でテンポをカウントし、「ワン、ツー、ワン、ツー、スリッ、フォ!」で曲が始まります。4拍子なら1拍・3拍の奇数拍にパッチンが欲しいところですが、スイング系のジャズの場合は必ず2拍・4拍にパッチンが来ます。ジャズが「アフタービート」を大切にするが故の「裏打ち」なのですが、違和感を感じる方は少なくないはずです。今回は「裏打ちの正否」を含めて、曲を演奏する際のリズムの取り方についてお話しします。

 結論から言ってしまうと、裏打ちだろうが、表打ちだろうが、自分がリズムを取り易ければどちらでも良いのです。何故ならば、「カウント」は音楽ではなく、ただの合図です。バンドのメンバー全員が、気持ちを揃えて音楽を開始できれば、それでOKです。また、曲中のテンポの取り方も、演奏者個人が最もやり易い方法で構いません。ではその根拠をいくつか挙げてみましょう。300を超えるような速いテンポのジャズのジャンプナンバーは、裏打ちでは速さに追い付けません。楽譜に二分音符=150などと表記が有る場合は、頭打ちでテンポを取るのが無難です。また、あまりに裏打ちを意識しすぎると、曲中の一拍半フレーズや3拍フレーズなどの、一般的なトリックフレーズを取り逃がす場合があります。超一流のビッグバンドのメンバーの演奏中の足の動きを観察すると、かなりの一流プレーヤーが頭打ちで足を動かしています。御大ベイシー存命時のカウントベイシー楽団のサックスセクションでも、曲によって、また人によって、足は「1拍・3拍」、または「1・2・3・4拍」で踏んでいるのを目撃しました。でも出てくるサウンドは間違いなくアフタービートの「こてこてのジャズ」でした。
 カウントの聞き方、準備の仕方で重要なことは、拍の頭のタイミングを非常に短い「瞬間」で感じる事です。奇数拍でも偶数拍でも、拍の頭をぴったりと瞬間で揃えることが「ビートのある音楽」では重要です。「わぁーん、つぅー、わぁん、つぅー、すりー、ふぉー」のような感じの、「揺れ」でテンポを感じてはいけません。「ワン、ン、ツ、ン。ワッ、ツッ、スリッ、フォ」のような、瞬間のタイミングでテンポを取りましょう。そういった「瞬間」で拍頭を感じることが出来ると、その間の「一拍の長さ」が長く感じられ、フレーズの表現を大きくすることが出来ます。表打ちでも裏打ちでも、フレーズを大きく取れれば「自由度」が上がります。要は「結果オンリー」です。結果が良ければ、どんな手段でもOKだと思います。

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