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サックス 練習・レッスン

Written By: sax on 8月 15, 2018 No Comment

サックスに限らず、管楽器の演奏には腹式呼吸は不可欠だと言われています。しかし、「正しい腹式呼吸」やら「腹式呼吸のコツ」等の情報を見るたびに、「ん?」という思いが出て来ます。腹式呼吸について、突っ込んで突っ込んで考えてみましょう。
 管楽器の演奏に必要なのは、「瞬時に大量の空気を肺に取り入れ」、「繊細にコントロールしながら息として出す」事です。腹式呼吸をしなくても、このような「吸気と呼気」が出来れば、方法に束縛される必要は無いかもしれません。腹式呼吸に対して、胸式呼吸があります。これは、多くの人が無意識におこなっていると言われている呼吸法で、肋骨を持ち上げつつ左右に開き、胸郭(胸をとりまく骨格)を前後左右に拡大させ、これによって肺を膨らませて息を吸い込み、逆に肋骨を閉じて息を吐く、というものです。腹式呼吸はご存知のように、横隔膜を下に下げ、胸郭がそれによって上下に拡大することで外気を取り込み、息を吐くときには横隔膜を弛緩させ、胸郭を狭くすることで息を吐き出す、というものです。ヨガや瞑想系の呼吸法では、筋肉の使用部分や意識の集中法が異なる両者は、全く別の呼吸法とされています。しかしそれは、呼吸法そのものが目的であり、呼吸の過程を重要視しているからです。管楽器奏者のように、「息の出入りを思いのままにコントロールしたい」わけではないのです。そう、我々サックス奏者にとって腹式呼吸と胸式呼吸の違いは、考えようによっては「どうでも良い」のかもしれません。

 意外と忘れがちな事ですが、「横隔膜」は胃より上にあります。みぞおちのあたり、一番下の肋骨に沿って水平に広がり、腹腔と胸腔を分けています。胴体のかなり上の、この位置を意識して力を入れてみてください。無理ですよね。筋肉無いですから。横隔膜を下げるには、腹筋と背筋に力を入れます。管楽器用の腹式呼吸で「腹筋と背筋を使いなさい」と言われるのは、息を吐くときもこの筋肉で、息の量やスピードをコントロールするからです。ここで一考です。横隔膜を下げながら、肋骨を持ち上げ、かつ左右に開いたらどうでしょう。腹式呼吸と胸式呼吸の合わせ技です。横隔膜と胸郭全体を意識しながら、ゆっくりで良いのでやってみてください。もの凄く胸郭が広がり、肺が目いっぱいに広がっている感覚がありませんか?
 サックスの呼吸法には「目的」があります。目的を達成できれば、手段にこだわる必要はあるでしょうか。いわゆる「腹式呼吸」は、「管楽器の理想的な呼吸に一番近い方法」であることは間違いありませんが、言葉に惑わされ過ぎて、目的を逸しては本末転倒です。瞬時に大量の空気を肺に取り入れ、最良のサウンドを作り出すために、繊細にコントロールされた息を吐く。そのためには、あなたの身体がどう動けばよいのかを、もう一度、いや定期的にチェックしてみたらいかがでしょうか。

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Written By: sax on 8月 8, 2018 No Comment

ブラスバンドやクラッシック系のサックス奏者の方々には無縁かもしれませんが、ジャズやポップス系の音楽をやってると、必ず出くわすのがバンド用語です。もの凄くアホらしいものから、音楽的なものまで、数ある音楽業界用語の中からいくつかご紹介します。ほとんどが戦後まもなくの、「スイングバンド全盛時代」からのものなので、まあ、「化石級」ですね。
 数字を「ツェー」「デエー」「イー」「エフ」という音階のドイツ読みで言う方々がいます。 「デーまんゲーせん」は、2万5千円、「イーせん通し」は、飲み会で一人3千円の割り勘ですね。同様な有名どころでは、「バンドマンの逆読み言葉」があります。「しーすー(寿司)」、「しーめ(飯)」、「るーびー(ビール)」あたりは分かりますが、「きがしゃ(楽器+車=楽器運搬車)」とか「ちーた(立ち→立奏)」なんて、初めて聞いたら意味不明な単語もあります。「あいばん(ステージで交代しながら演奏する相手バンド)」、「トラ(エキストラ→代役)」、「ぱつら(ラッパ→トランペット)」あたりは、かなりややこしいです。何となく意味は分かるが、何故そうなったか分からないバンド用語に、「はこ(ライブハウスやコンサートホール)」、「返し(ステージ用モニタースピーカー)」、「どんかま(リズムマシン)」、「インペグ屋(アーティストの録音やコンサートの伴奏、テレビ番組や映画のBGM、劇場公演のオーケストラピットでの演奏等にミュージシャンを斡旋する業者)」などがあります。

 ビッグバンド業界にも、知らない人には分からない業界用語が沢山あります。バンド用語と言うよりも、ビッグバンド用語とも呼べる音楽的な隠語です。まずは、「ソリ」。同じ種類の楽器の合奏をこう言います。サックスソリは多くのアレンジで多用されており、ペイシー楽団のIn a Mellow Toneなど、名作と呼ばれる有名なサックスソリも沢山あります。サックスソリを演奏する場合は、普通サックスセクションは立ち上がって演奏します。これが「ちーた(立奏)」ですね。管楽器全員が一緒に吹き散らす(?)のを「トュッティ」と言います。イタリア語の音楽用語で、全部という意味で、「ソロ」の対義語です。「124小節目の3拍目からの8分4個はイーブンでね」と言われたら、ここの8分音符はスイングしないで、同じ長さの普通の8分音符の長さで演奏します。「言い分」と聞き間違えないでくださいね。「じゃ、一回「べ夕」で通そうか」と言われたら、曲を始めから終わりまで通すのですが、全てのリピートを省略して演奏します。本番前の音合わせ等で、時間や体力を節約する演奏です。「コーダ・コーダ」なんていう、コーダマークが出たらすぐにエンディングコーダに飛ぶ、中抜き演奏もあります。「ここは場ソロで」と言われたら、センターマイクへ出ずに、自分の場所でソロを取ります。こんな業界用語、知らなかったら分からないですよね。ま、知らなくても問題ないと思いますが。

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Written By: sax on 6月 13, 2018 No Comment

サックスをやっていると、色々な外国製の「用語」に出会います。おかしな和声英語は今の日本に氾濫していますが、サックスに関連する変なカタカナも少なくありません。
 マウスピースブランドの「Meyer」は何て読みますか?メイヤーでしょうか、マイヤーでしょうか。発音的にはマイヤーが近いようですが、日本ではほとんど「メイヤー」で通っています。たまに「マイヤー」と言うひとを見ますが、少数派のようです。「Buescher」はヴィンテージサックスのメーカーです。ついこの間まで、多くのサックス奏者が「ブッシャー」と呼んでいました。正しくは「ビッシャー」とのことです。ネットの動画で、アメリカのあるコレクターが、「これはビッシャー・トゥルートーンというサックスです。ブッシャーでもベッシャーでもありません。」と話しているのを見ました。思わず吹き出してしまいました。本国アメリカでも混乱していたんですね。まあ、これは人名なので混乱はしょうがないでしょう。

 人名といえば、有名なマウスピース職人、「Theo Wanne」は、今でこそ「セオ・ワニ」と正しく発音されていますが、彼のブランドのマウスピースが日本に出回り始めた初期のころは、多くのメディアで「テオ・ワン」などと呼ばれていました。 YouTube動画で本人が、「どうも、セオ・ワニです。」と言ってから、修正が進んだようです。ジャズ界で著名なギタリスト、「John McLaughlin」も色々言われました(笑)。「ジョン・マクラグリン」やら「ジョン・マクローリン」やら、色々なカタカナ表記が混在していました。来日公演をおこなった時、ハートの強い司会者が、「あなたの名前はなんて発音すれば良いのですか?」と聞いてくれ、本人から、「僕の名前は、ジョン・マクラーフリン」と言わせました。「フ」はちょっと小さめに発音するようです。
 サックスの部分にもいろいろな誤訳、誤使用があるようです。サックスネックの本体側に差し込む部分は、多くのサックス奏者が「シャンク」と呼んでいます。間違いではないのですが、英語のサックス修理マニュアル等では、ほとんどの場合「テノン(tenon)」と呼んでいます。英語圈の人と話すときはご注意を。サックスの卜-ンホールを塞いでいる部分を「キー」と呼ぶひとが少なくありませんが、あれは「カップ」です。「キー」は指で触る部分です。ですので、「サックスは、キーに連動するカップに収めたパッドで、管体に開いた数々のトーンホールを塞ぐことで、異なる高さの音を出すことが出来る楽器」、というのが正しい表現です。

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Written By: sax on 6月 6, 2018 No Comment

どんなケースにおいても、「慣れ」が「油断」を生み、結果を悪い方向に導いてしまう場合があります。サックスという楽器の演奏においても、「慣れ」への注意が必要です。演奏技術における「慣れ」は、演奏そのものに余裕を生み出してくれるはずですが、正しくない奏法に慣れてしまうと、思わぬ失敗や、不要な苦労をしなければならないかもしれません。サックス演奏技術の誤解や悪い癖について考えてみることで、悪い「慣れ」から抜け出しましょう。

 管楽器を演奏するひとが必ず教えられるのが、「息をいっぱいに吸いましょう」ということです。この「いっぱい」って、いったいどのくらいなのでしょうか。これ以上吸えないというくらい肺を息で満たすのでしょうか?うーん、通常の演奏では息継ぎ箇所も多いので、そんなに息を吸っても無駄になりそうです。そのような「現実」から、サックス奏者は「吸気」を怠けがちになります。長いテヌート等の息が大量に必要なフレーズでは、譜面に「Big Breath」と書き込んだり、パートのメンバーで息継ぎ場所の「談合」をしたりして、息の量の帳尻を合わせるのが通常ですが、これによって「少ない吸気」の癖がついてしまいます。その結果、やたら息継ぎが頻繁になったり、アドリブのフレーズがブツブツに途切れたりする結果を生み出すことがあります。「吸気」は、自分が自然にできる範囲で、「いっぱい」するのがベストです。自分なりの適正な「いっぱいの息」を練習の中で見つけ出し、それに慣れるようにしましょう。少ない吸気に慣れてしまっていないかどうか、時々チェックするのも良いでしょう。

 バンドやアンサンブルで、他人の音を聴かないのも、有りがちな良くない癖でしょう。自分の演奏の音だけに集中してしまい、周りの音を聴かないと、音程や発音のタイミングのずれが放置されたり、バンドの音量バランスの崩れの原因となります。楽器初心者の時期は、自分の音に神経を集中させ、いわゆる「いっぱいいっぱい」の状態だと思いますが、楽器に慣れるにしたがって、周りを聴く余裕を作る必要があります。周りの音を聴かない奏者のいるバンドは、いくら練習してもサウンドがまとまりません。合奏をするのなら、ひとの音に自分の音を合わせることに慣れましょう。

 首の角度も、サックス奏者の悪い癖になりがちです。左右、上下の首の角度は、そんなに厳密に決めなくてもサックスは音が出ます。しかしその影響は、少しずつ色々なところに出ています。あごの上下は息のリードへの当たり具合を変化させます。リードが最適に振動せず、音が曇ったりもします。下を向き過ぎて、喉が閉まってしまう場合もあります。首の角度は結果的にサックスの位置にも影響します。指が一番軽やかに動く、サックスの位置で構える必要があります。首の角度で運指の自由さを損なっているかもしれません。譜面を見ながら演奏をするビッグバンドのサックス奏者は、首をかしげて譜面にネックが重なるのを防ぐことがあります。そんな場合は、ちゃんとマウスピースを捻って、口に水平に当たるようにしなくてはなりません。悪い首の角度に、慣れないでくださいね。

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Written By: sax on 5月 30, 2018 No Comment

楽器の演奏は、少し前なら(今でも?)「習い事」の範疇でした。ピアノのお稽古、バイオリンのレッスン、三味線のお師匠さん、など等は、これらが習い事であるがゆえの呼び方です。サックスがいくら比較的簡単に音が出せる楽器だとしても、まったくの独学で超絶技術や豊かな音楽性にたどり着く人は少ないでしょう。ほとんどのサックス奏者は、専門の先生や先輩など、誰かしらにサックスを習った事があると思います。習う、教わるにしても、教えられる側の姿勢次第で、その効果は格段に変わります。演奏技術の向上、練習のヒント等については何度か紹介していますが、今日は「上手な習い方」についてお話しします。

 表題の「何故何故くん(なぜなぜくん)」というのは、何でも質問してくる生真面目な生徒の事です。「タンギングはトゥトゥトゥトウという発音で舌を動かして!」、「何故トゥトゥトウトウなんですか?」、「そうすると息を断続的に切ることが出来るからだよ」、「何故息を切るのですか?」、「音を適切な長さで切るためだよ」、「何故…?」、果てしない問答合戦のようですが、レッスンで「何故」はとても重要です。教えられたことの原因、意味を知ることで、その指示の真意が理解でき、練習の方向性や自分に合った修正方法も導き出せます。とは言え、「何故?」が嫌いな先生も少なくありません。「黙って言う通りにやっていれば良いんだ。質問なんて10年早い!」と言われたら…、謝って黙っていましょう(笑)。レッスン後に自分で、そのときの「何故」をゆっくり考えましょう。仲間に聞いても良いでしょう。少なくとも何かを教えられたら、その指示に隠れた「何故」を探し、その「何故」を解決したうえで練習に勤しみましょう。

 何故、何故にこだわるのか。それはあなたが「プレーヤー」だからです。音楽を聴いて感動する「聴衆」の側の人間では無く、音楽を通して感動を届ける、演奏者の側の人間だからです。聴衆に理屈は要りません。何故感動するのか、何故楽しく無いのかも、その理由を考える必要はありません。しかし演奏者は、何故聴衆が感動するのか、どうしたらどう感じるのか、どんな音がどんな感情を何故引き出すのかを考える必要があります。演奏者は常に「何故」を考える必要があるのです。もちろんあなたのサックス人生で解決した数えきれない数の「何故」は、いずれあなたの身体の中に溶け込んでしまい、意識からは消えてしまうでしょう。でもしっかり身体は記憶し続けます。

 ステージ上で客席に向かい、美しい旋律があなたのサックスから放たれます。あるときは艶やかな音で、またあるときは透明感あふれる繊細な音で旋律を歌い上げます。そのステージが聴衆を感動させているのは、あなたのその音が、あなたの中に積み重ねられた無数の「何故」から導き出された音だから、だと思いませんか?いやあ、説教臭くてすみません。

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Written By: sax on 5月 16, 2018 No Comment

サックスを吹いていると、避けることが出来ない…が、避けられるモノなら避けたいし、挑戦してもなかなか思うようにならない、ある技術の問題にぶち当たります。ビブラートです。ビブラートの有る無し、上手い下手でその音楽の表情は格段と変化します。ビブラートのかかった美しいサックスの音色は、聞いているものを恍惚とさせ、音楽の作った世界に引き込むほどの魅力を持ちます。ビブラートの練習に近道はありません。ひたすら練習を繰り返してください。

 ビブラートには音量型と音程型があります。前者は音量が小刻みに震え、後者は基準音を中心に音程が高低に揺れる音です。サックスのビブラートの基本は後者の音程型です。下あごを小刻みに前後させることでアンブシャの締まり具合を変化させ、音のピッチを変化させます。この顎の動きから「縦ビブラート」と呼ばれる場合もあります。音量型のビブラートはフルートなどの楽器で多用されますが、サックスの演奏で使う場合もあります。柔らかな音質で、ゆったりとした音量型のビブラートをかけると、風のうねりや小川のせせらぎをイメージするような優しいサウンドになります。基本、音量型のビブラートは腹筋で息の圧力をコントロールすることでおこないますが、同時に口腔内の形を変える事でより繊細に音量型のビブラートを生み出すことが出来ます。頬を動かす感じになるので、先の「縦ビブラート」に対して、「横ビブラート」と呼ばれたりもします。

 ビブラートは1拍に4回が基本、と言われますが、これは音程型のビブラートの場合です。往年のスイングビッグバンドのビブラートがこれに当たります。しかし正直なところ、1拍に4回、つまり16分音符の長さでぴったりビブラートをかけられたら奇跡です。重要なのは「合わせる」事です。ビブラートのタイミングがサックスセクション全体で合っていないと、それはまあ「ぐしゃぐしゃ」な音になります。揺れのタイミングも深さも、ぴったりと合うよう練習しましょう。音量型のビブラートは、アンサンブルよりもソロの演奏に使いたい「感情表現」のひとつです。長い音から次の音への変化の前に、助走として音量型のビブラートを付けると、よりフレーズに感情がこもります。パターンの定石はありませんので、名人たちの録音を聴き込んで真似ることで練習してください。

 ビブラートは、「オウオウオウオウ」やら「アウアウアウアウ」などの発音で練習するよう解説されている場合が多いようですが、自分に向いたやりかたは人それぞれです。手段を考えるより、自分のやりたい結果をイメージしての練習が重要です。ロングトーンでゆっくりとピッチを上げ下げし、その上げ下げのスピードを上げていきます。このとき「これ以上上げられない」と感じたら、きっと上げ下げの方法が間違っています。音量型ビブラートの練習でも同じです。求める結果は同じでも、それを実現する方法は人それぞれです。だからビブラートは難しいんです!

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Written By: sax on 5月 2, 2018 No Comment

管楽器が音を発するには空気が必要です。人間の身体から発する空気で管楽器は音を鳴らします。サックスにしろトランペットにしろ、音の根源である息の供給をおこなうための呼吸、そしてそれを楽器に最適化するための呼吸法は、楽器をより良く鳴らすうえで必須の技術です。呼吸法、ブレスについて考えてみましょう。
 息を吐くためにはまず吸わなければなりません。サックスの呼吸法に関する教材では、多くの場合、この「息の吸い方」から学習を始めます。近年のサックス用呼吸法の解説には、 「背筋で腹腔を下側に広げ、肩甲骨を上げながら胸郭を広げて、瞬時に大量の息を吸い込む」、という上下から肺を引っ張って、最大限の空気を体に入れる方法が推奨されているようです。お腹の力だけで息をコントロールせず、身体全体で肺の容量を最大限にするという、「新腹式呼吸」とも言える呼吸法です。人間の身体の動きに関する限り、この方法が最善の方法です。「管楽器は腹で吹く」なんて思っていた方は、ちょっと頭を切り替えて、新しい吸気の理論を研究してください。「空気は肺にしか入らない→ならば肺を最大限に膨らませよう→下から上からそして前から肺を外側に引っ張る!」という概念から出てきた吸気法です。

 解剖学的には理論立った呼吸法でも、サックス奏者の立場で考えるともうひと工夫がなされます。まず呼吸のサイクルを、「吐くと吸う」という2アクションでなく3アクションで考える呼吸法です。アクション1は「息を吸う為に息を吐き切り、かつ身体全体の準備をする。アクション2は「体全体でたっぷりの息を吸い込む」、そしてアクション3は「楽器を鳴らしながら、ゆっくりとコントロールしながら息を吐く」です。アクション1と2は瞬間です。アクション3は出来る限り時間を取る、「サウンド」のためのアクションです。楽器を鳴らしながらの呼吸では、無意識のうちにアクション1を奏者はおこなっています。これをあえて意識することで、スムースにアクション2に移行出来、より良い吸気が出来るようです。
 たっぷりと息を吸うのは、長いフレーズを吹き切るためだけにする訳ではありません。サックスを鳴らしている間、リードの振動は楽器だけでなく、奏者の身体全体に共鳴します。血や肉には振動はあまり伝わりませんが、骨や肺の中の空気は、楽器から出るサウンドに影響を与えるほど振動するようです。なんてことを言っても、科学的な実験で証明されているわけでは無いようです。ただし経験的に、肺が息をたっぷり含んだの時に出すサウンドのほうが、息を排出しきる寸前のサウンドより「良く響く」という事は、サックス奏者の皆さんが実感していることではないでしょうか。限界容量の70%の息より、100%に近い息を吸ったほうが、絶対に良いサックスサウンドが得られます。沢山の空気が身体に力を与えてくれるのかもしれません。ということで、たっぷりと息を吸うのはとても重要です。良いブレスはサウンドにも確実に良い影響を与えます。

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Written By: sax on 4月 18, 2018 No Comment

サックスのサウンドは色々な要素で変化します。変化するし、してしまいます。奏者が望む方向にサウンドが変われば、それは進歩であり上達でしょう。逆ならば改悪、もしくは退化、スランプかもしれません。マウスピースやリードを変えるなどのセッティングの変化だけでなく、アンブシャの形、マウスピースを咥える深さ、息の吐き方など等、サックス奏者は「理想のサウンド」に向けてあらゆる努力をしています。しかし、それはあるときはただの徒労であり、無用な出費、無駄骨であり、あるときは目からうろこの大発見だったりします。いずれにしろ、サックス奏者のサウンド改善に対する苦労は、決して生やさしいものではありません。そんな「真面目な」サックス奏者に贈りたい言葉、それが「記録の重要性」です。

 サックス歴が10年程度あれば、かなりの種類のマウスピースを買ったり、試したりしていると思います。リードもしかりです。アンブシャも色々と試行錯誤してきたと思います。それが20年、30年となれば思い出せないくらいの努力が費やされたはずです。そう、「思い出せない」のです。「ああしたら、こうなった」、「アンブシャをこう直したら、こういうサウンドになった」、「xxのリードをリンクのx番で使っていた」、など等、覚えていられるのは数年が限度です。ですから私は、「記録」を推奨しています。

 自分のサックスのサウンドのチェックには、録音して聞いてみるのが一番効果的だと私は思っています。ですので、セッティングや奏法を変える場合には、是非、「録音して記録する」ことをお勧めします。今はデジタルレコーダーが安価ですし、操作も簡単です。「メイヤー6Mにリコジャズセレクトのミディアム、リガは付属品。ぶりぶり~(サックスの音)。」、というように練習のサックスサウンドの前に、そのときのセッティングを声で録音しておき、その一連の録音をファイルでPCやスマホに保存しておくのです。その録音は、当初はサウンドの比較の為の物でしかありませんが、保存を繰り返すことで溜まってきた音声ファイルは、あなたのサウンドの変遷の歴史的記録になり、セッティング改造の効果のサンプルにもなるのです。この音声ファイルが数年分溜まれば、あなたが今のサウンドや奏法に何かしらの疑問を持った時、その問題を瞬時に解決してくれる資料になるかもしれません。「あ、2年前のあのセッティングのほうが、今の音より良いかも」、なんて事に気づくかもしれません。サウンドファイルの保存が面倒臭い、という方はノートにメモするだけでも良いでしょう。サウンドの振り返りは難しいですが、吹奏感や楽器コントロールの難易度などは、紙へのメモでも十分役に立つでしょう。

 楽器を演奏する、音楽をやる側に立つ、ということは多くの場合、「長い旅」になります。旅の記録は単なる回顧の為だけでなく、次の旅の道筋を示す「道しるべ」にもなると思います。

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Written By: sax on 3月 28, 2018 No Comment

楽器奏者に必須な作業がチューニング。演奏をするスタジオやらステージ等、演奏場所のピアノに合わせて、基準音にチューニングしてバンドのピッチを合わせます。ポーン、ポーンとピアノを弾いて、その音にバンドの各楽器が合わせるのがかつては普通でした。しかし最近ではまずピアノの音をチューニングマシンで確認し、「はい、今日はA=441Hzね!」などというコンマスの指示で各自が自分のチューナーを校正し、自分の楽器の音をチューナーのクリップマイクで拾ってチューニング、なんて感じが当たり前ではないでしょうか。今日はもう離れられない秘密兵器、チューナーについてお話しします。

 最近では「機器」としてのチューナーを使わず、スマホのアプリで済ましている楽器奏者も少なくありません。かなり高機能なチューナーアプリでも無料の物が沢山あります。アプリにしろ独立した機器にしろ、チューナーには「管楽器用」と「弦楽器用」かあるのをご存知でしょうか?それはチューニングする音の特性による違いです。管楽器の音は口の加減で音のピッチが揺れます。それに対し弦楽器は「ポーン」と引いた音は一定のピッチを維持します。管楽器用のチューナーは、ピッチの揺れの平均部分を取り出してメーターが反応するようになっています。これに対し弦楽器用チューナーは、ブレがないので反応が早く、「低い」、「高い」の結論をすぐに出すようになっています。弦楽器用のチューナーでサックスをチューニングしようとすると、表示がバタバタ変化し過ぎて対応できません。その他の機能もチューニングする楽器の特性で細かく違うので、くれぐれも弦楽器用チューナーでサックスをチューニングしようなどという、無謀なことはしないようお願いします。

 チューナーは、基準音への楽器のピッチ調整だけが目的の機器(またはアプリ)ではありません。特に管楽器奏者にはとても便利な練習道具でもあります。アンブシャの状態によるピッチのブレを確認でき、どの音域でどのくらい口で調整出来るかを知ることが出来ます。サックスでどこかの音を出し、アンブシャを締めたり緩めたりして、ピッチのブレの幅を確認します。これは、「この誤差以内であれば演奏しながらピッチを修正できる」ことを意味します。低音域の音、高音域の音のいくつかでこの確認をすれば、自分がその楽器の演奏中に、どの音はどの程度「口で修正できるか」を知ることが出来、チューニングの精度も楽になってきます。この逆は、「演奏中にどれだけ狂うか」でもあります。演奏中に油断すると、自分のピッチがどこまでずれてしまうかも把握できます。この確認を頻繁におこない、日頃の練習のルーティーンにしておきましょう。チューナーのメーターを見ないで吹き始め、「どうかな?」と目を開けてメーターを見る練習もお勧めです。どうしてもメーターを見ながらチューニングすると、口が自然にピッチを修正してしまいがちです。自分の標準アンブシャを決めておき、その状態のマウスピースの抜き差しでチューニングするのも重要です。チューナーの機能を上手く練習に取り入れてください。

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Written By: sax on 3月 21, 2018 No Comment

サックスのサウンドはタンギングで大きく変わります。サウンドの質がタンギングに決められてしまう、と言っても良いでしょう。それ故にサック奏者はタンギングに関する悩みが多いようです。「ハーフタンギングがどうしてもできない」やら「低い音域でタンギングが強過ぎてしまう」、「サブトーンのタンギングが上手くいかない」など等、多くのサックス奏者の方々から質問を受けます。確かにタンギングは重要課題です。しかしその正しい方法を教えるのも難しいのです。何故なら、「タンギングの方法は人によって違う」からです。

 教則本やレッスンの先生達は、「ルルルルと舌を動かす」とか、「トゥリトゥリと発音しながら息を出す」等、「技術」や「方法」を説明して、生徒にタンギングを教えようとします。しかしこれも、「そんな感じ」以上の何物でもありません。「ル」という舌の形が、それに期待するサウンドで音を出せるかと言ったら、必ずしもそうではないのです。あえて言うなら、それらの方法論は、「近道」を示している事に他なりません。ルの形からアプローチを始めれば、切れ味の良い、強過ぎないタンギングで音を出すことにたどり着き易い、ということです。サックス奏者が注力すべきは、「ルルルルと舌を動かすこと」ではなく、耳当たりが心地よい音の始まり」なのです。

 タンギングの練習は先生や教則本の指示する通りにやりましょう。そして空いた時間に夕ンギングで遊んでみたらどうでしょう。舌をリードに付けずに音を切ったり(エアータンギングと言います)、舌の真ん中でリードをペタペタ叩いたり(スラップタンギングの原型です)、口腔内を膨らませたり萎ませたり、舌の先でリードをツンツン触ったり、舌を付けたまま息を出し続けたり、思いの外、サックス演奏の為に「口の中でできる事」は多様です。そしてそんな遊びによってどんな音が出るか、出せるかを楽しみましょう。そのうちに「こうするとこうなる」の経験が色々と溜まってきます。「タンギング遊び」が「サウンド開発研究」に変わって来ます。まあ、お散歩しながら、道端の綺麗な花を見つけたり、運が良ければ100円玉を拾ったり、みたいな感じですかね。サックスと一緒になって音を作る、音を出すことを楽しむことで、新しい何か、自分が出したいサウンドのポイントを見つけようというやり方です。ハーフタンギングの按配の習得などは、この方法が一番だと私は思っています。

 楽器を使った音楽は、楽器の奏法の方法論だけで作り出せるものではありません。常に持つべきは好奇心であり、自分の夢や目標です。そういうやりかたで身に付いた自分のサウンドは、人には説明し難いですが、自分で演奏するのは無理無く出来ます。自分で考え出して身に付けたものは、とっても素直に自分に馴染むはずです。

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