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サックス アクセサリ

Written By: sax on 5月 17, 2017 No Comment

サックス奏者にとって、リードのコストは頭の痛い出費です。消耗品であるリードは、サックスの音の鳴る原点でもあるため、そう簡単にコストダウンすることは出来ません。じやあ消耗し難いもので、ということで出現した「人工リード」ですが、出始めのころはなんとも言えない品質のものでした。しかし昨今、人工リードの性能の向上は目覚ましいものがあります。吹奏感も音質も、そして耐久性も申し分のないものが、非常にリーズナブルな値段で入手できるようになりました。今日は「人工リード」のお話をば。
 天然の植物、ケーンを乾燥し加工したリードは、自然の物ゆえの寿命があります。リードの振動に必要な硬さと反発力は、使用していくにつれ劣化し、サックスの良好なサウンドを出すための振動が出来なくなります。また、湿度にも敏感で、乾燥保管しておいたリードは、ある程度ウォームアップして、唾液による湿り気を与えないと、本来の振動をする状態に至りません。安くても一枚500円前後のリードの価格も、「リードをなるべく持たせたい!」という気持ちに拍車を掛けます。そんなサックス奏者(リード楽器奏者)の要望に応えて出現したのが人工リードです。合成樹脂で作られた人工リードは、ケーン製のリードをはるかに凌ぐ耐久性・安定性を持ち、湿度に対してのケアの不要な「ウォームアップ要らず」のリードですが、最初のころは、「吹奏感に違和感がある」、「強いブローに反応できない」、また「音のダイナミックス(強弱の表現)が狭い」等の不満も大きく、なかなか一般的になりませんでした。しかし21世紀を迎えて十数年が経った今、人工リードは目覚ましい進化をしています。プラスチック製リードの定番、BARI(バリ)、また人工繊維を利用したFIBRACELL(ファイブラセル)。また新しいところでは、Legere(レジェール)、Hahn(ハーン)、Forestone(フォレストーン)、Bravo(ブラボー)等といったブランドも支持を受けているようです。各種の人工リードはそれぞれの独自の工夫がなされ、良質な天然ケーンに近い性能を再現しています。合成樹脂を使用するだけでなく、各種の「繊維成分との合成」をおこなっているので、近年では「人工リード」に対し、「シンセ・リード(合成リード)」という呼び名のほう市民権を得ているようです。1枚の人工リードはそれなりの価格ですが、長寿命、安定性、当たり外れの無さ、等の高いメリットを考慮すると、天然リードにコスト的に勝ると言えるでしょう。
人工リードは決して永久的に使えるわけではありませんが、天然リードの10倍近くは持つでしょう。また、純粋に工業的に製造されるので、品質のばらつきは皆無です。当たり外れはありません。またマウスピースにセットすれば、即、性能全開で鳴ってくれます。音色や吹奏感の面で天然リードは根強い人気をもっていますが、深く静かに「人工リード派」も増えているようです。あなたも食わず嫌いせずに、試してみたらいかがでしょう。

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Written By: sax on 5月 10, 2017 No Comment

最近の100均は奥が深い。かつては、「これが100円?凄い!」が基本的な100均の感想でしたが、今では、「こんな物まで100均で売ってるの?」、という感想のほうが多い気がします。とにかく100円ショップでの買い物は発見が多くてめちゃ楽しいですよね。そんな100円ショップで、サックス演奏に関わる多くの便利グッズを仕入れてますので、そのいくつかをご紹介します。
 「椅子の靴下」というものを100均で見かけたことはありませんか?椅子の四つの足に履かせるニットや布のカバーで、椅子の足を覆って床に傷がつかないようにするものですが、見た目はまるで赤ちゃん用の小さな靴下みたいなものです。これがマウスピースのケースにドンぴしゃなんです。サイズがテナーやアルトのマウスピースにぴったりで、尚かつクッション性があってマウスピースへのダメージも防げます。必ずしも椅子の靴下にこだわらなくても100均には膨大な種類の小物入れが「生息」していますので、気長に探せばあなたのニーズに合致した「入れ物」が見つかると思います。特にウェットスーツのようなウレタン生地でできた「クッションバッグ」は大きさのバリエーションが豊富なので、メトロノームやチューナー、コンタクトマイク、譜面ライト、ケーブル類等のケースにピッタリなものが探せます。入れる物主体で入れ物を探すのが普通ですが、品目の種類が多い100均では、入れ物を見ながら、「それに入れる物」を考える、というのもお勧めです。「あ、このポーチ。スワブを入れるのにちょうど良いじゃん!」、なんて探し方も良いと思います。
 100均で是非揃えたい(?)のが、「譜面整理系文房具」です。透明のシート状のフォルダで文書をまとめる「クリアファイル」は、譜面の整理にピッタリです。色々な色がありますので、曲のジャンルや使うバンドによって色分けするのも良いでしょう。譜面の入ったクリアファイルを入れるための「書類ケース」も100均で揃えてしまいましょう。A4やB4など、大きさも豊富ですので、中に詰め込む譜面の量によって選びましょう。屋外の演奏で必須な、クリアブックも100均で売っているようです。譜面を入れて、ページを開いて洗濯ばさみで譜面台に留めれば、屋外の多少の風でも譜面が飛ばされることがありません。譜面用には、開いた状態がなるべく平坦になるような綴じ代のブックが良いと思います。100均のクリアブックは総じて収納ページが少ないのが難点ですが、文房具店のクリアブックは軽く千円を超える物ばかりですので、工夫して100均クリアブックが使えるなら、それに越したことは無いでしょう。
 その他にも、シールやゴムバンド、ペン立や名札など、みなさんの楽器ライフに役立ちそうなものが、沢山100均の棚に並んでいます。音楽家の為の道具があるのは、楽器屋さんだけじゃありませんよ。

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Written By: sax on 4月 5, 2017 No Comment

最近、カッコ良くて機能的で、値段も手ごろなサックスのケースが沢山あります。でも、「気にいったケースでも、自分のサックスが入らない」、という悩みも多く聞きます。カイルベルスのサックスや、ヴィンテージのベルレフトトーンホール(ベルの左側にトーンホールがあるサックス)などのサックスの持ち主に多い悩みです。またバリトンサックスでは、ペグレシーバー(ペグ足のねじ込み部分)が出っ張っていてケースに入らない、なんて場合もあります。そんなときは…カッターやらトンカチの出番でしょ。(笑)
 管楽器ケースの内部で、楽器をホールドしショックから守る部分を「あんこ」と言います。自転車のサドル(座る部分)に入っているクッション材も「あんこ」ですし、段ボール梱包の荷物と段ボールの間に入れる風船のようなエアークッションも「空気あんこ」と呼ぶようです。「スポンジ」という便利な緩衝剤が発明されてから、楽器ケースのあんこはスポンジが主流です。必要なクッション性を実現するために、スポンジの柔らかさは多種多様ですし、高級なケースでは衝撃吸収性のあんこも入っているようです。しかし管楽器、特にサックスの外部形状は、メーカーやモデルによってまちまちです。したがって、楽器と一緒に付いてくる専用のケースはその楽器の形状に最適化して作られていますが、単独販売のケースはどんなメーカーやモデルのサックスでも入るよう、平均的なサイズを想定して作成されています。この「平均的サイズ」が問題です。入れるサックスによって、ある部分が「ゆるゆる」だったり、ある部分は「キツキツ」だったりする事があります。きつい位ならまだしも、「入らない」なんてことも無い訳ではありません。デザインや機能が気に入って「欲しい」と思ったケースでも、「自分のサックスが入らない」で諦める場合があります。でも、諦めるのは本当に必要でしょうか?何とか入りそうに感じたら、買ってしまったらどうでしょう。
 サックスケースの内部の「あんこ」のほとんどはカッターで切れます。クッション性の少ない発砲スチロール系のあんこなら、硬いものでぐいぐい押せば凹みます。緩くてグラグラする場所は、タオルやハンカチ、クリーニングクロス等を詰めてはいかがでしょうか。ケースの中身はしょせん「内側」です、ほとんど人目にさらされない部分です。自分しか見ないのですから、とりあえず見た目は気にしなくても良いのではないでしょうか。どうしても気になる場合は、大きなビロード等の生地をケース内部に敷きつめ、布の端をあんことケース外装の間に折り込んでしまうのもよくある手です。知人の「DIY系サックス奏者(?)」は、「ケースメーカーのあんこの設計は信用できない!」と、ケース内部のあんこを全部取り去って、自分の思うように衝撃吸収スポンジを敷き詰めたうえに、サックスを自作のバスタオル製の袋に入れてケースに収めています。見栄えはともかく、そのケースはそのサックスに、超絶「ぴったり」しています。 どうでしょ?

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Written By: sax on 3月 29, 2017 No Comment

最近のサックスケースの進化には目を見張るものがあります。丈夫で軽くて機能的で、昔の「管楽器と言えば木箱ケース」の時代とは隔世の感があります。そして最近のサックスケースの多くが備えている機能が、「バックパック型に背負える」ということです。ケースの裏に下駄の鼻緒のようにベルトが付いており、リュックサックのように背中に背負えるサックスケースです。楽器を持っての移動時でも、両手が開いているのでとても便利、かつ安全です。今日はサックス奏者のケースおよび荷物の持ち方について考えてみましょう。
 背負えるサックスケースを使って楽器を運ぶ時、注意すべきなのが「重心」です。軽いサックスならさほど問題にはなりませんが、テナーやバリトンサックスを背中に背負って移動するときは、ケース全体の重心があまり上に来ないように注意してください。何故ならば、「転び易くなる」からです。テナーサックスやバリトンサックスがケースに入っていれば、それ全体はかなりの重量の「荷物」です。重心が高くなれば、少しの弾みでバランスを崩し、悪くすれば転倒することになります。楽器を背負って前に倒れれば、あなたは楽器と道の間に挟まれて、楽器の重量ごと床に叩きつけられます。楽器を後ろに倒れれば、楽器はその重量プラスあなたの体に押しつぶされます。どちらにしろ、あなた自身にも楽器にも相当なダメージは避けられないでしょう。重心さえ低く保っておけば、「バタン」が「コテン」くらいに回避できるかもしれません。また、背中のケースの重心が低いほうが、歩くときに余計な力を入れないで済みます。ただし肩紐を延ばし過ぎてケースを下にし過ぎると、足に当たり、かえって歩き難い場合もあります。

 サックスにはダブルケースやトリプルケース等、複数の楽器をひとつのケースで収納できるものもあります。また、周辺小物の収容能力が高く、スタンドや譜面台、相当量の譜面等、かなりの荷物をひとパックに出来るものが少なくありません。しかしひとつの荷物にしても、その荷物の総量が軽くなる訳ではありません。ひとによっては「分散派」として、「背中や両手に荷物を分けたほうが軽く感じるし、移動がし易い!」、という方もいます。とはいえ、両手がふさがっているのは、かなり危ない感じはします。
 そういえば、楽器を手に持った状態で万が一転ぶようなことがあったら、まず楽器を手放して、両手で身を守る動作をするよう日頃から意識するのが良いと思います。なにか楽器に愛情が無い、楽器が壊れそう、と思うかもしれませんが、冷静に状況を考えると、転びそうなときに楽器を手放したほうが、結果的に楽器や自分の体へのダメージが少ないはずです。 「結果、転ばなかった。」ならハッピーエンドですが、「楽器を守って頭から転んだ!」となることは、決して少ない確率ではありません。

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Written By: sax on 3月 15, 2017 No Comment

最近のサックス奏者が使うサックスケースは、箱型ケースか「コンツアー型」と呼ばれるパックケースがほとんどです。箱型ケースも軽量化の工夫や、背負えるベルトが付いたりと、昔の重たくてかさ張る箱型サックスケースとは大違いです。パックケースも数々の工夫で、丈夫で軽く、持ち運び易いものが沢山出回っています。あれ?硬いハードケースも良いけれど、めちゃくちゃ軽いあのソフトケースはどこに行ったのでしょう。今日はソフトケースの話しです。
 プラスチックや人工樹脂の種類が増え、強度や加工方法が進歩してきた結果、サックスケースには軽量でもしっかりとした強度を持ったものが数多く、かつ安価で出回っています。しかしこんなに「プラスチック」が高機能になる前、サックスのケースは木製の箱型ケースとソフトケースの2種類だけでした。そして、「スタイリッシュに移動したい」、もしくは、「重いのは嫌!」、と我儘な(?)ジャズサックス奏者が、かなりの割合で「ソフトケース」で自分のサックスを運んでいました。その頃のソフトケースはほとんどが革製。厚手の丈夫な皮革を、職人がひとつひとつ縫製して作っていた革製ソフトケースは、使い込むほどに革に重厚さが増し、まあなんとも「ジャズ」な存在でした。この「渋さ」ゆえ、今でも革製ソフトケースを使っている管楽器プレーヤーは少なくはありません。厚手の革はそれ自体である程度の強度があり、適度な柔らかさと硬さが楽器を守ってくれます。そう、サックスに革シャンを着せた感じですかね。布製のソフトケースにも良いものが沢山あります。布と言っても、高い強度の合成繊維で作られた布や樹脂シートが使われており、簡単には破れないものがほとんどです。本革よりも抜群に軽く、かなりの安価のものでもしっかりとしています。テナーサックス用でも数百グラムなんて製品もあります。

 ソフトケースの軽さは言うまでもありません。本革製の格好良さ、布製の手軽さ。なのになぜ皆、ソフトケースを使わないのでしょう。ソフトケースを敬遠する楽器奏者は口を揃えて、「強度がないから楽器が心配」、とソフトケースの弱点を指摘します。しかしよく考えてください。ソフトケースはその名の通りソフトなので、パックケースや箱型ハードケースと違って、簡単に変形してしまいます。板と板に挟まれたらサックスもろとも潰れてしまいます。その上に座ってしまったら、中のサックスもつぶれるでしょう。しかし、そんな状況ってそう頻繁にありますか?倒したり、ぶつけたり、押されたりした時の強度は、さほど「変形しないケース」に劣る訳ではありません。丁寧に扱い、ぶつけずに、倒さずに、押さずに持って歩けば、ソフトケースもそんなに「弱いケース」ではありません。とんでもなく軽量なソフトケースは、荷物が沢山あるサックス奏者にとって、結構盲点だった解決策ではないでしょうか?

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Written By: sax on 2月 15, 2017 No Comment

サックスのマウスピースの材質は多種多様です。昔ながらのハードラバー(エボナイト)製。メタル素材では一般的な真鍮ばかりでなく、ステンレススチールやアルミニウムが使われているものもあります。新しい合成樹脂素材ではABS樹脂やアクリル、ポリカーボネート等も使われています。サックス奏者にとって音の根源であるマウスピースは、自分のサウンド作りに欠かせない大切な部品です。価格も超高価なヴィンテージの逸品や、職人のハンドメイドもの、精密加工機で製作される現代的な名品と、マウスピースを選ぶのは本当に大変です。この大事なマウスピースの「寿命」って考えたことがありますか?
 結論から先に言えば、「マウスピースには寿命があります」。サックスの演奏中、マウスピースはリードの振動とともに「震えて」います。しかもマウスピース全体に均一な振動をしているのではなく、先端、リガチャー接触部、シャンク(ネック接合部)では異なる振動をしています。この部分的に異なる振動はねじれを生み、マウスピースの各部に「ストレス」を与えます。ストレスはマウスピースの材質の強度に細かな変化を与え続け、最終的には「振動する構造としての機能不全」を起こします。簡単に言えば、「マウスピースは長年吹き続けることによる振動の蓄積で、いつか鳴らなくなってしまう」、ということです。 しかし、その寿命は素材の初期状況や演奏の際のストレスの大小、演奏の頻度等、多くの要素が絡み合うので、何時間、何年間でマウスピースが寿命を迎えるのかはまったく予測することは出来ません。また寿命があると考えると、寿命に向かって徐々に変化をして行くわけで、その変化を「熟成」や「成長」と捉えることもできます。新品のマウスピースがある状態に変化し、そのサウンドが変わって来た時、あるプレーヤーは、「このマウスピースは死んだな」と言い、別のプレーヤーは、「やっと枯れて来た」と言うかもしれません。

 50年以上前に製造されたヴィンテージマウスピースが、市場で高価で取引されています。 「腕の良い職人によって作られた名作は、50年以上経ってもその時代の音で鳴ってくれる」、というのは間違いです。マウスピースの材質は、どんなものでも「経年変化」します。完全に昔と同じ音では無いはずです。それでも「良い音」なのは、良質なマウスピースは良質な変化をする、ということです。奏者が受け入れられる上質な変化は、決して「死への過程」ではなく、むしろそのマウスピースの「味」や「性格」でしょう。
 このように、何もしなくてもマウスピースは歳を取ります。ましてや傷や欠け、ショックによる内部刺激は、その機能にダメージを与え、本来のサウンドが出せなくなってしまいます。マウスピースを大切に扱い、その変化に寄り添い、長く付き合ってください。

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Written By: sax on 2月 8, 2017 No Comment

サックスプレーヤーの皆さん、サックスのサウンドや吹奏感は、口に近い部品ほどその影響が大きいと言われています。マウスピースやリガチャー、リード、高価なところではネック等のパーツには、多くのサックス奏者の皆さんがこだわって、かつお金を掛けていることでしょう。しかし、何か忘れていませんか。あれです、マウスピースのキャップです。「だって、吹くときには外しちゃうから、サウンドに関係ないじゃん。」、とお思いでしょう。確かにキャップは演奏時には外してポケットに入れたり、その辺に置いておいたりします。あまり目立たない存在です。でも、もしあなたのマウスピースキャップがこんなだとしたら、ちょっと放っておけないと思います。
 「マウスピースに被せると、キャップがリードに触る」。致命傷です。キャップが必要以上に深く被さるようになっていると、当然ながらキャップの天井がリードやマウスピースの先端にあたっている場合があります。 リードが損傷し、マウスピースの先端が傷付きます。天井に穴が開いているキャップなら目視で注意できますが、塞がっているタイプなら、マウスピースに被せてみて底の位置をチェック、キャップを被せずに横に並べてその位置に合わせましょう。キャップの天井からマウスピースの先端が、数ミリ以上離れていればOKです。「リガチャーやマウスピースを擦ってしまうキャップ」。意外と恐ろしい結果が待っています。マウスピースの直径や形状に対し、口径が狭く、かつ金属製のキャップでは、キャップをマウスピースに被せる度に、マウスピースの外周をキャップの端で擦って傷つけてしまう場合があります。価格の安い金属キャップは、開口部の内側が尖っている(やすりで丸く加工されていない)場合が少なくおりません。大事なマウスピースやリガチャーが傷だらけ、という事になりかねません。「リードの面に触るキャップ」。無さそうでたまにあるキャップの不具合です。マウスピースのテーパー(次第に細くなる形状)の角度、使用しているリガチャーの厚さ等が悪さをし、キャップを被せると、マウスピースに対し曲がった角度で入っていき、キャップの内部がリードに、特にリードの先端平面部に擦れてしまう場合があります。このような場合には横から見るとキャップが異常に上を向いているので、ちょっと注意深く観察すれば気が付くでしょう。

 慎重派のサックス奏者は、マウスピースを仕舞う際、マウスピースにガーゼ等を数せてからキャップをし、全体をクロスで包みます。マウスピースの先端を守るためです。同様に、ダメになったリードをリガチャーに装着し、その先端をマウスピースの先端より外に出るようにしてキャップをするのも良いでしょう。キャップでリードの乾燥を防ぐプレーヤーも沢山います。穴の開いたキャップの穴をテープ等で塞いでしまえば、リードが空気に触れて乾燥するのを防ぐことができます。またキャップ内に湿った紙や布を張り付けているプレーヤーもいるようです。キャップって、大事でしょ?

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Written By: sax on 2月 2, 2017 No Comment

サックス細かすぎるポイント第?段!誰も教えてくれないのに、サックス奏者は皆しなければならない事。でもそんなに頻繁には必要ない。何でしょう?ネックコルクのグリシングです。つまりコルクグリスの塗り方です。ええっ?そんなとこまで気を使うの!ってレベルでコルクグリスについてお話しします。
 最近のコルクグリスは、くり出し型のリップスティックタイプになっており、クリクリと筒から少し出して、そのままネックコルクに塗れるようになっています。しかしそのやり方は「×(バツ)」です。グリスがコルクの上に「置かれている状態」にしかならないので、マウスピースを挿せば、グリスは剥がれてしまいます。コルクにグリスを塗った後、親指と人差し指でゴシゴシと、グリスをコルクに「擦り込んで」ください。コルクにグリスを浸み込ませることで、コルク表面の滑りを長期間キープすることができます。この「擦り込み」の際は、コルクグリスの粘度が低いほうが良いでしょう。温度が低くてグリスに「粘り」が多いと、コルクへの浸み込み具合が低くなります。息で温めるだけでもグリスはかなり溶けますのでお試しを。
 グリスはコルクの全体に塗る必要はありません。マウスピースをネックに挿す際に、マウスピースのシャンクがスムースにネックのコルク部で滑ってくれるようにするのがコルクグリスの役割です。ネックコルクの先端1/4ほどはグリスを塗る必要はありません。逆に先端までグリスを塗り過ぎると、ネックの先端からグリスがネック内部に入り込み、埃を吸着して汚れの原因となりますので注意してください。ネックコルクにグリスを塗り、ネックをマウスピースに差しこむと、余分なグリスがマウスピースの後端に溜まります。この余分なグリスは乾いた布やティッシュで必ずきれいに拭き取りましょう。
 グリスはサックスにとって、実は好ましいものではありません。粘着性のあるオイルですので、ほんの少しでもそれがサックスのどこかに付着すれば、埃がそこに吸着し、汚れとなります。可動部であれば、グリスに付いた埃は「やすり」のように部品を摩耗させ、故障の原因となります。クロスで拭き取っても、グリスは薄く広がるだけで、溶剤を使わなければ完全に拭き取ることは出来ません。コルクグリスを扱うときは、ネックコルク以外のいかなる部分にも絶対に付着しないよう、細心の注意を払ってください。また「滑らす」という効果はグリスだけでは完全に発揮できません。グリスを塗ったコルクの上に水分があると、マウスピースが良い具合に滑ってくれます。マウスピースをネックに挿すときに、コルク表面にハアーっと息を吹きかけたり、ぺろっと舐めたりして湿らせると、スルッと気持ち良く差し込めます。是非お試しを。

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Written By: sax on 1月 25, 2017 No Comment

あなたが楽器と一緒に持ち歩く小物入れの中には何か入っていますか?コルクグリスや吸水ペーパー、マウスピースパッチの予備。このへんは基本形でしょう。ドライバーやラジオペンチ、ピンセット等が入っていれば、「ちょっとした不具合は自分で修理」派ですかね。バネ掛け工具やコルク/フェルトの予備、瞬間接着剤や小型バーナー、なんてものを持ち歩くのは「ほぼリペアマンプレーヤー」ですね。サックス奏者には、こんなに持ち歩く小物があるのですが、「手鏡」は持ち歩いていますか?「はあ、なんで?」と思われるかもしれませんが、「手鏡」は是非小物入れに入れておくことをお勧めします。手鏡の意外に便利な使い道についてお話しします。
 手鏡はもちろんステージ上で使うものではありません。ステージ本番直前に、「顔に何か付いてないか」、「ネクタイは曲がってないか」、等の確認には使えますね。でもここでお話ししたい手鏡の使い方は、練習に役立つ使い方です。大ざっぱに言えば、「鏡を使って自分の演奏状態を見て、色んなことをチェックし確認する」ために手鏡を使います。手鏡といっても文庫本くらいの、ある程度の大きさのものが使い易いと思います。
 鏡の術:その一、アンブシャチェック!手鏡で自分のアンブシャを確認しましょう。マウスピースを啼える深さ、上下、左右の角度、口の周りの筋肉の閉まり具合、下あごの前後運動のストローク等。これらのすべてを、サックスプレーヤーは「つもり」でやっています。しっかりと鏡で確認すると、「え?こんなに下から吹いてたの?」とか、「曲がってマウスピースを唾えてるよぉ。息が真っ直ぐ入るわけないじゃん。」、のようなポイントに気が付くことができます。また、鏡を見ながら、「もう少し深く加えると、どういうサウンドになるか」等の、奏法の研究をすることもできます。自分の「つもり」を、鏡を使えばしっかりと自分の目で確認することが出来るのです。
 手鏡をちょっと離れたところに置いたり、壁に掛けたりすれば、自分の演奏姿勢を確認することも出来ます。鏡の術:その二です。背筋の曲がり具合、首の突き出し具合、あごとマウスピース/ネックの角度、楽器と自分の距離、演奏姿勢の体のねじれ、ストラップが首周りのどこに位置しているか、など等、演奏姿勢の全般を確認してください。高い確率で発見できるポイントは、「楽で自然な姿勢をとっているつもりが、鏡で見たらとても苦しそうな姿勢だった。」等の発見です。もちろんそのような発見後は、「楽に見える姿勢」と「楽に感じる姿勢」とを比べながら、客観視と主観が一致する、最適な演奏姿勢を見つけ出す努力が必頂です。
 と、言いながら、実は私、最近は手鏡を持ち歩いていません。スマホという便利なものが出来たので、鏡が無くても「客観視による観察」が出来てしまいます。写真を撮って改善前と改善後との比較、なんてことも可能です。動画を撮るのも良いでしょう。世の中便利になりました。

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Written By: sax on 12月 20, 2016 No Comment

サックスの消耗品といえばリードですね。サックス奏者は一生のうち、かなりの金額をリードの購入に費やします。そして第二の消耗品といえば「パッド」です。多分単価はリードよりも高価です。管体の下半分のパッドはそんなに頻繁に交換の必要ありませんが、管体上半分の、ネックに近い部分ほどパッドの痛みは激しくなります。「濡れる」、「乾く」が繰り返されることで、パッドの弾力性が失われ、徐々に硬くなっていき、最後には卜-ンホールヘの密着度が損なわれ、エアー漏れを起こすようになります。一番上の3、4個のパッドは、出来れば1年に一回は交換が必要でしょう。サックスを酷使するプロの奏者であれば、もっと高い頻度でパッド交換します。今回は、パッド周りのこだわりメンテナンス。上手くパッドと付き合うヒントを二・三、お話しします。

 パッドの延命に高い効果があるのは、演奏中、練習中ともに、こまめにパッドの水分を拭き取ることです。吸水ペーパーを常にスタンバイしておき、ちょっとの休憩の際に「ソ」より上のパッドの水分を拭き取りましょう。吸水ペーパーをパッドとトーンホールの間に挟んで押さえつけ、「グイッ」と引き抜く方がいらっしゃいますが、この方法はお勧めできません。ペーパーの繊維がトーンホールのエッジに残ってしまいます。トーンホールとパッドの間にペーパーを挿入し、軽くパッドを閉めるだけで十分です。吸水ペーパーの替わりに1ドル札を使うのが、昔から「粋な方法」として伝承されていますが、新品のお札は水分をあまり吸ってくれません。またティッシュでの代用は、水分は吸いますが、繊維が残るので「×」です。
 パッドを長持ちさせ、トーンホールの気密性を維持するための、隠れたポイントがあります。それは卜-ンホールのエッジ内側です。繊維カスが残るので、パッドの水分拭き取り時には要注意とお話ししましたが、このポイントを疎かにすると、かなり怖い結果になります。サックスの掃除で管体内にはスワブを通しますが、スワブは立ち上がったトーンホールの内側は掃除出来ません。しかしここにも水分は着きます。水分にホコリが付着すると汚れが定着します。トーンホールのエッジ内側は、放っておいたホコリが「固着」してしまっているケースが非常に多いのです。いくら吸水ペーパーでパッドの水分を拭き取っても、この汚れに水分が吸収され、パッドを濡らし続けます。またエッジ内側のホコリが積もり積もって、トーンホールとパッドの間に隙間を作ってしまう場合もあります。エッジ内側の掃除は、専用の「モール」で出来ます。針金の周りにブラシが付いたあれです。先端を曲げてトーンホールの内側、エッジ際を優しく擦りましょう。細かい作業が得意な方なら、綿棒の先をタイツと曲げ、エッジの内側を掃除することも出来ると思います。トーンホールのエッジの内側の掃除をお忘れなく。

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