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サックス アクセサリ

Written By: sax on 7月 31, 2019 No Comment

サックスを首から提げるためのネックストラップは、サックス奏者の必需品です。出先でストラップを忘れたことに気づき、「え~?」と叫んでも、ストラップ無しではどうにもサックスを吹くことは困難です。椅子に座って、サックスを何かの台に乗せて、なんとか吹く姿勢になれないこともありませんが、ま、格好悪いですね。そのストラップですが、引っ張ったり、擦ったりと色々な重労働で消耗度が高いグッズです。汚れた、千切れそう、破れそう等でストラップの新調を考えているあなた。まだまだ修理して使えますよ。
 ストラップの部品で一番酷使されているのは、やはりストラップフックでしょう。プラ製なら「割れた」「折れた」「削れた」「(ベースから)抜けた」が、メタル製なら「メッキが剥げた」「削れた」等が考えられます。これらフックの不具合は、交換することで簡単に修理できます。そもそもストラップのフック部は、デ・ジャックス製ストラップのような特殊形状のフックを除けば、ほとんどのストラップが「流用品」を使っています。カバンのショルダーベルトを引っ掛けるフックであったり、キーホルダーのフックであったりします。「キ ーホルダー」、「カバン部品」、「アクセサリー」等のキーワードで探せば、希望の形状のフックが簡単に見つかるはずです。フックを紐に取り付けるためのD環・0環(D型、0型の金具)も一緒に見つかると思います。

 ストラップの紐が擦り切れて切れそうになったら、登山用品のお店に行きましょう。「ザイル」というとかなり太めの紐になりますが、細めの「ロープ」や「登山靴用シューレース (靴紐)」はストラップに最適な丈夫さを持っています。柄もカラフルなものが多く、お酒落なストラップが作れます。紐タイプのサックスストラップの機能は、スライダーに紐をどのように通すかで性能が決まります。スライダーの穴への紐の通し方を間違えると、長さが不用意に変わってしまったり、演奏中に伸びてしまうこともあります。紐の通し方をスマホで写真に撮っておき、元の通りに新しい紐を通せるようにしておきましょう。ナイロンベルト式のストラップなら、「カバン用の部品」がそのまま使えます。その場合、スライダーになる部分の性能を、サックスストラップ用にしっかりと吟味してください。サックスストラップのスライダーの場合、「ゆるんだ状態では軽く動かせて、引っ張った状態ではまったく動かない」が重要です。
 ネックベルト部分も結構早く劣化します。「汗を吸って臭くなった」、「紐が留めてある先端が千切れそう」、「革がボロボロになって表面が剥がれてくる」等の劣化が定番です。ストラップの紐を結び付ける部分の強度を保つための「ハトメ」が打てれば、どんな「ベルト」 でも使用できます。レザークラフトのお店で、良いものが見つかるかもしれません。流用性が高いものでは、カメラのストラップがお勧めです。一眼レフ用のカメラストラップは、サックスストラップとして流用しても、結構首周りを快適にしてくれます。

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Written By: sax on 5月 22, 2019 No Comment

久々に斬新で、画期的なサックスアクセサリーが開発されたようです。名前は失念しましたが、サックスのクローズキーカップに装着し、そのパッドを開いたままに固定するアクセサリーだそうです。それによって普段は閉じているパッドが外気に触れ、演奏後も早くに乾燥し寿命が長くなると同時に、パッドの表面にトーンホールエッジが押し当てられることで付いた溝が膨らんで浅くなり、トーンホールの密閉度が高くなる、ということだそうです。確かにG♯、E♭、C♯のキーはほとんどの場合に閉じており、管体の中の湿度満点な空気にいつも触れています。サックスを演奏していないときぐらい、外の世界の空気に触れて適度に乾燥させることは良い事なのでしょう。
 かたや30年以上前から存在する、サックスのマニアックアクセサリー(?)に「サックス・クランプ」というものがあります。名前や構造が違うものが数社から出ていますが、こちらは、「開いているキーを閉めて止めておく」道具です。サックスは工場から出荷される際、輸送時の振動でキーの調整が狂わないよう、各所にコルク材を挟んで、キーがすべて閉じた状態にして箱詰めされます。キーカップがトーンホールから離れた状態でサックスが激しく振動すると、シャフトから枝のように伸びたキーカップがテコの原理でおもりになり、シャフトとの接続部に力がかかってキーバランスが狂ってしまうのです。「サックス・クランプ」はいくつものコルクの役割を特殊な形状のワイヤ等で代用させ、サックスのすべてのキーを閉じた状態に簡単に固定させることが出来るアクセサリーです。また、サックスのパッドを全交換したときに、「パッドをトーンホールに馴染ませる」目的でサックス・クランプを使用するリペアマンも少なくありません。

 ということで、「え~?パッドは閉じるの、それとも開けるの?」という疑間が湧くわけですが、賢明な読者の方々は既にお気づきと思います。保管時にはパッドは開け、輸送時・移動時には閉じておきましょう、ということですね。サックスを使用しないときは、掃除した後にすべてのキーを開け、ケースにも仕舞わずにスタンドに立てかけて放置しておくのが最良でしょう。低音域のキーだけでなく、ネック側に近いパームキー等のパッドも開けておくと、より効果がありそうです。そしてサックスをケースに入れて持ち歩くときにはパッドは閉めよう、ということですね。これはバリトンサックスのようにトーンホールが大きく、カップも大、という部分が多いサックスに効果が大きいでしょう。これらを真面目にやるとかなり面倒ですが、身の回りの輪ゴムや針金で対応することも不可能ではないでしょう。この「理屈」を頭に入れてご自分のサックスと付き合えば、きっとその良い状態を長く維持することが出来るはずです。

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Written By: sax on 11月 28, 2018 No Comment

マイクスタンドにすっぽりはまり、床やテーブルから生えていたり、ブームで吊るされているものばかりが「マイク」ではないのはご存知かと思います。歌や声を集めるための「マイク」に対し、楽器の音を集めることに特化したマイクが多種あります。今日は、「管楽器専用マイク学」です。

 楽器用マイクを大別すると、接触型の「コンタクトマイク」と、楽器装着型の「クリップマイク」とに分けられます。コンタクトマイクは、電子チューナーに付属している、楽器本体を挟み込んで、クリップのように取り付けるマイクが馴染み深いでしょう。クリップ形状なのに「クリップマイク」では無く、「コンタクトマイク」だなんてややこしいですが、楽器そのものにマイク集音部が接触するのが「コンタクトマイク」、楽器に固定器具で取り付け、楽器とマイク部の関係を密に、かつ固定的にするのが「クリップマイク」ということですので、見た目で誤解しないようにしてください。チューナー用のコンタクトマイクは音程を検出するだけの「音質はどうでも良い」簡易マイクですが、コンタクト型でコンサート品質のマイクも数多くあります。 1963年に世界で初めてピエソ圧電素子を使ったアコースティックギター用ピックアップを世に広めた楽器用マイクの老舗バーカスペリ一社は、楽器用コンタクトマイクを数多く開発しています。ギターのボディーやウッドベース、ヴァイオリンの「駒」に張り付けるマイクはもちろん、フルートのヘッドスクリューにマイクを仕込んだものや、サックスのリードに接着剤で張り付けるサックス用マイクも開発しました。1960年代以降には、サックスのネックに穴を開けてコンタクトマイクを仕込むのが流行ったようです。ヴィンテージ楽器の中には、ネックの「マイク用の穴」を塞いだ痕跡があるものに稀に遭遇します。アメリカセルマー社が販売した電子サックスシステム、VARITONEは、ネックにガッツリとマイクが溶接されており、そこからコントロールボックスを経由して、専用アンプにワイヤがつながっています。コンタクトマイクは楽器に接触してその音を拾うので、周囲の他の音が混ざらず、純粋に楽器からの音のみを増幅し、ワウワウペダルやコーラス等のエフェクターで電子的に音を加工する場合に適しています。
 現在のステージシーンでは、高性能なクリップ型のマイクが主流です。管楽器のベルの部分等に専用クリップでマイクのアームを留め、アームの角度や曲がり具合を調整して、マイクが楽器のベルの中央に向くようにします。スタンド式のマイクに対し、クリップ型はマイクをギリギリまで楽器の発音部に接近させることが出来、かつその位置関係を変化させずに、奏者が自由にステージ上を動き回ることが出来ます。ワイヤレスのシステムを使えば、奏者はうっとおしいマイクケーブルから解放され、ステージどころか客席にまで移動することが出来ます。ポップスやロック系の「目立ちたがりの管楽器奏者(?)」には必須のアイテムになっています。

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Written By: sax on 9月 19, 2018 No Comment

サックススタンドは、かつては持ち替えの多い、ビッグバンドサックス奏者の専用の道具のような位置づけでしたが、今では多くのサックス奏者がスタンドを使っています。「サックスの置き方」としては最良と思われるサックススタンドですが、使用上の悩みも少なくありません。
 サックススタンドに関連した、一番多い事故は、「ずるっ、コテン」の落下事故です。スタンドへのサックスの収まりが悪く、重心が安定していないと、まずサックスがスタンドの上で「ずるっ」と回転します。U字型のベルレシーバーの中でサックスが回ると、ネックが下がり管体全体が傾きます。そしてスタンドから外れてサックスが床に落下したり、スタンドごと床に倒れます。通常右側に倒れるので、ネックジョイント近くの右側の一番背の高いポストが床に打ち付けられ、最悪の場合管体は凹み、ポストが歪んでシャフトが上手く動かなくなります。恐ろしい「ずるっ、コテン」です。これを防ぐには、U字型のベルレシーバーがしっかりとベルおよびサックス全体を支えるようにすることです。金属製のベルレシーバーなら、力づくでU字の開き具合を広げたり閉じたりすれば、ペルが安定する「開き」に調整することが出来ます。もしくはサックスのベルとの接触部に布やテープを巻くのも良いでしょう。布は柔らかく、適度な弾力が得られるので、サックスのスタンドへの着脱が無理なくおこなえます。テープ等のビニール系の加工は、ペルとレシーバーの間の滑りを無くし、しっかりと支えるようになりますが、サックスをスタンドから外すときに、スタンドから「外れ難い」場合がありますので注意が必要です。

 サックススタンドはベルレシーバーでベルの左右2か所、U字管近くのサックスの下部の1か所の、計3か所を支えることでサックスを安定して収納しますので、この3点を安定させるためにベルレシーバーを「調整」することは「得策」ではあります。が、しかし、サックスはキーメカニズムの構造により、重量バランスが管体中心に対し左右対称ではないので、垂直なスタンドではどうしても安定させられない場合があります。ですので、スタンドの構造上可能であれば、U字ベルレシーバーの「左右の腕を上下にねじる」のが最善の場合があります。サックススタンドがサックスを斜めにして収納するのが、実は一番安定したりするわけです。ただしこの加減はサックスの機種によっても、また取り付けたアクセサリー等によっても変わりますので、どうするのがベスト、というポイントは簡単に見つけられません。劇的な効果が得られる場合のある、裏ワザがひとつあるので紹介します。サックススタンドは多くの場合3本足ですが、そのうちの一本、右の足の下に厚さ1センチほどの雑誌を敷いて、サックススタンドをやや左に傾けます。すると、あら不思議。収まりの悪かったサックスがストンとスタンドの上に安定しています。ま、本当かうそか、自己責任でトライしてみてください。サックスを傷つけぬよう、実験はあくまでも慎重におこなってくださいね。

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Written By: sax on 7月 11, 2018 No Comment

知ってる人は知っている。サックスのパッドにくっ付いているレゾネーター。トーンホールを塞ぐカップを覗くと、革製のパッドの真ん中に「どん」と鎮座している円盤。それがレゾネーターです。先祖楽器のクラリネットのパッドにはレゾネーターは有りませんので、「パッドの革をケチるためかい!」と突っ込まれそうですが、レゾネーターはサックスにとって重要な機能を持った部品です。
 レゾネーター(Resonator)を訳すと「共振器」となります。しかし多くの資料では、このレゾネーターを「反射板」と記しています。実はこれには深い訳があります。かつてのヴィンテージサックスの時代、パッドとカップの間の接着剤、シェラックの量は最小限にし、「カップとパッドの間に隙間を作ること」が常識でした。その構造によって、レゾネーターを含むパッド全体がカップから浮いた状態になり、サックスの音(管体内の空気の振動)に共振・共鳴することができました。そしてそれが、サックスの音に厚みや深みといった様々な色彩を付加していました。しかしこの調整は非常に難しく、「パッドでトーンホールを塞ぐ」というパッドの第一の目的を主体に考えれば、パッドとトーンホールの水平度をぴったりと合わせ易く、それが狂い難い、「パッドの裏の接着剤を増やしてべったり固める」、という調整法が主流になって来ました。本来、レゾネーターは「振動の共振」と「音の反射」の二つの機能を持っていたのですが、トーンホールから出る音のエネルギーを反射することで、サックス全体の音色と音量を整える、「音の反射」の機能のほうがサウンドへの貢献度が優先されたようです。それ故に、近代の一般的なパッドの固定法では、レゾネーターは「音の反射」の役割しか担っていないので、「反射板」と呼ばれるのです。

 このレゾネーターの「音の反射」の機能を突き詰めるため、最近のレゾネーターには多くの工夫がなされています。基本的なところでは、プラスチックレゾネーターとメタルレゾネーターの使い分けです。プラスチックは柔らかい音、メタルはシャープな音の輪郭を生み出す、等々と言われる2種の材質違いのレゾネーターを使い分けるということです。上位機種のモデルのサックスでは、一本のサックスにメタルとプラスチックの2種のレゾネーターを、場所によって使い分けている機種もあります。メタルレゾネーターは、今では失われた「共振機能」が再現するとも言われており、硬い金属の材質がパッド全体の共振に貢献するようです。近年のレゾネーターは形状も多様です。かつては平坦な円盤状のみがレゾネーターの形状でしたが、中心に向かって膨らんだドーム状、議員バッジのような菊花模様を波型に刻印したもの、銅製、アルミ製、光沢ステンレス製と、多種多様です。少数のサックスプレーヤーのようですが、いわゆる「レソネーターレス」、レゾネーターを外したサウンドを好むプレーヤーもいるようです。

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Written By: sax on 7月 4, 2018 No Comment

ご承知のように、サックスという楽器は、他の管楽器に比べて歴史の浅い楽器です。発明されてから、まだ約170年。600年以上の歴史を持つと言われるトロンボーン等の金管楽器に比べたら、まだひよっこの若造です。しかし、若いが故の利点もあります。新しい工夫がふんだんに次々と取り入れられ、まだまだ「進化中」の楽器がサックスでしょう。サックスの進化を助けている、新しい科学のディープな部分を見てみましょう。
 最近注目されている技術のひとつが、「マウスピースの振動をネックにダイレクトに伝える」技術です。マウスピースとサックスネックの間にはネックコルクが介在し、マウスピースからの振動を吸収してしまっています。この「吸収された振動」をしっかりとサックスの本体側に渡してあげれば、サックスの鳴りが大きく向上する、という理屈です。ネックとマウスピースの間に金属の部品を渡し、ゴムでそれを固定することで、演奏中のマウスピースの振動を、サックス本体側に効率良く伝える、という管楽器用のアクセサリーがあります。このアクセサリーはサックスだけでなく、トランペット等の金管楽器やフルートのヘッドとジョイントの間にも使えるそうです。望むサウンドに合わせて、色々な金属素材が選べるようになっています。マウスピースに取り付けられたリガチャーから針金が伸び、その針金がサックスのネックに「触れる」という製品もあります。同じメーカーの製品で、リガチャーから幅の狭い金属バネが伸びており、それがネックにピッタリと接触する、というリガチャーもあります。「ネックコルクで失った振動を生かす!」とは、新しいサックスの科学ですね。

 友人のミュージシャンがある実験をしました。ライブハウスのステージに立ち、スニーカー、革靴等、底の硬さの違う靴を数種類履き替えながら演奏し、それらのサックスのサウンドを客席から聴き比べるという実験です。結果は、「明らかに分かるほどの違いが出る」ということです。サウンドの良し悪しは聞き手の好みが決める物なので、硬い底と柔らかい底のどちらが良いとは言えませんが、そのうち「サックス演奏用シューズ」が発売されるかもしれません。
 サックスストラップの「科学」も多数あるようです。フックは金属、スリングは紐、というのを「信仰」しているサックス奏者は少なくありません。「ストラップがサックスの振動を吸収するのを防ぐ」、というのが理由とのことです。実際に、ストラップのフックがプラフックの場合と金属フックの場合とで、サックスの音が違ってくるような気もしますが、サックスには奏者の手も触れていますし、右足の腿も触れています。ストラップの素材の影響度は如何ほどのものなのかは疑問です。

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Written By: sax on 6月 20, 2018 No Comment

他の楽器にも言える事ですが、サックスを吹くという事は、その道を究める長い旅でしょう。そして、道には必ず経験豊かな「先輩」が先を歩いており、後から来るものに適切なアドバイスをくれます。そんな先輩たちに私たちは憧れます。先輩は、「モノの見分け方」を良く知っています。野草の達人が毒キノコの見分け方を教えてくれるように、「サックス吹きがしてはいけない事」を沢山教えてくれます。私が多くの先輩から教えていただいた、毒キノコの見分け方(?)をほんの少しお伝えします。
 リペアマンの巨匠は、かなり独断型に我々の道具を否定します。私は使っているスワブを3回ほど、色々なリペアマンさんに否定されました。特に製品名を挙げることはしませんが、「毛羽」、「繊維」、「事故対応」に関して、スワブの良し悪しが決まるそうです。「使っていて少しでも毛や繊維がスワブから落ちる物は使っちゃダメ」、また「管体にスワブが詰まった時に、逆に引き出せないスワブは要注意」、だそうです。細かい繊維はトーンホールの縁とパッドの間にくっ付き、空気漏れの原因となるそうです。目に見えない程の細かい繊維が一番厄介で、分解しないと分からない場合もあるそうです。逆引きの紐の無いスワブは管内のオクターブパイプに絡んでしまった場合、スワブを「破壊」しないと取れません。いずれにしろ、悪いスワブは「修理代」を発生させます。

 悪いリードの話しも沢山聞きました。「皮に黒いしみが多いと鳴らない/鳴る」、「黄色より茶色が濃いほうが鳴る/鳴らない」、「光にかざして、透ける光が左右対称なら鳴る」など等。そう、これなら鳴る、が鳴らないと言われる場合も数多く、何か何だか信用できません。真理かなと思ったコメントは、「鳴らないリードは、何をやっても鳴らない」かもしれません。削ったり、形を整えたりしても、「抜群の鳴り」には届かない事がほとんどです。
 楽器本体やケースについても、先輩方の名言は沢山あります。「持って、振って、カチャカチヤ音がするサックスはダメ」とか、「サックスを前倒しの水平にし、下側から覗いて管体が曲がっていたら、そのサックスはダメ」、「各キーの戻る力が極端にばらついているサックスは要注意」、「ネックを手で撫でて、どこか出っ張りを感じたら、そのネックは変形している」などというサックスの見分け方。「蓋を開けて、その蓋が簡単にねじれるサックスケースは強度不足」、「サックスを入れて、振って、力夕力夕と中でサックスが動くようなら、そのケースは買わぬが吉」、「ベルトの金具や開閉金具がツルッツルではなく、ブツブツの表面だったら、強度不足の金属の可能性あり」など等、どれも良く考えれば理に適ったアドバイスです。先輩方の講釈には良く耳を傾け、しっかりと取捨選択して(笑)自分の役に立てましょう。

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Written By: sax on 4月 4, 2018 No Comment

今更ながらの発言ですが、サックスはテーパーの付いた(先太り・先細りの)円錐管です。ネックの先端の直径が一番小さく、ベルの端の直径が一番大きくなっている、「徐々に太くなっているパイプ」です。という訳なので、とある部分を除いては、サックスの断面は全部 「斜め」になります。さて、サックスで唯一断面が平行なある部分とは…それはネックコルクです。ネックコルクの外形は基本的に円柱になるように削られています。その理由は、マウスピースを抜き差しして、チューニングするからです。重ねた紙コップを思い浮かべてください。円錐が円錐にはまると身動き出来なくなります。ですからマウスピースのシャンク(ネックを差す部分)も円柱の穴です。という訳で今回は「ネックコルク」の話しです。

 先にお話ししたように円柱のネックコルクに対し、円柱の穴のシャンクを持ったマウスピースを差せば、スムースに出し入れが出来、チューニングの際に不要な力を使う事はありません。ところがぎっちょん(?)、最近はシャンクの穴にテーパーが付いているマウスピースが少なくおりません。この構造だと、あるところで「行き止まり」ができ、それ以上マウスピースを深くさせない場所が出来てしまいます。それどころか、ちょっと抜いたら、マウスピースがグラグラする、ということにもなります。それを考慮して、ネックコルクにテーパーを付けるリペアマンさんもいます。これも実は考え物です。抜き差しの許容度は上がっても、マウスピースの位置でコルクの圧縮率が変わり、マウスピースからネックに伝達される振動が、マウスピースの位置によって変化してしまいます。深く差せばコルクは硬く絞まり、より直接的にマウスピースの振動をネックに伝えますが、浅く差せばコルクは膨らみ、振動を吸収するようになってしまいます。これを防ぐには、テーパーの付いたマウスピースのシャンクを円柱状に「彫り直す」のがベストですが、そのマウスピースに合った専用の工具を必要としますので、多くのリペアマンさんはコルクの削り具合で対応します。その場合、あなたのアンブシャでは、ネックのどのあたりが「マウスピースの標準ポジション」になるかを指定する必要がありますので、楽器を吹きながらコルクを調整してもらうのが良いと思います。

 ネックコルクをネックに接着するには、パッドをカップに接着する「シェラック」を使う場合がほとんどです。シェラックは熱で溶け、冷えるとカチカチになるため、マウスピースの振動をコルク経由でネックに効率的に伝えることが出来ます。サックス奏者の中には、このシェラックの硬さによる振動伝達を嫌い、あえて柔らかいボンド系接着剤を好む方もいらっしゃいます。柔らかい接着剤がクッションとなり、音がまろやかになるそうです。いずれにしろネックコルクとマウスピースのシャンクは、「ぴったり」と結合しなければなりません。ガッチリとマウスピースを掴んでねじることで、初めてマウスピースが動く。そのぐらいがちょうど良いでしょう。

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Written By: sax on 3月 14, 2018 No Comment

サック奏者にとって、買ったリードの歩留まり(良いリードの比率)は死活問題です。そしてまた、リードの箱を開封してのリードチェックは、その日の気分を暗くもするし明るくもする、宝くじの当選発表(?)のようなイベントです。良く鳴るリードに100%当たることはまず不可能ですので、サックス奏者はあの手この手で良いリードを入手できるよう考えます。どこのメーカーのどこのブランドは良品率が高いとか、10年以上前のヴィンテージリードは良く鳴るとかの「当選率の向上」に加え、サックス奏者達は独自の「リード改良法」を持っているようです。

 かなり一般的になっているのは、リードの繊維を潰したり、削ったり、切ったりの加工でしょうか。 リードの表側の左右、「サイド」と呼ばれる部分を爪や硬いものでグイグイと押し潰してリードの繊維を固めたり、細かいやすりで削ったりすることで、鳴らなかったリードが鳴るようになる場合があります。左右の鳴りのバランスが悪いリードは、この加工で多少修正できるようです。首を左右に捻ってマウスピースを咥えて吹き、リードの左右どちらかの鳴りが悪い場合に、鳴りの悪いサイドを矯正します。またリード中央の膨らみ(バンプ)の繊維を潰したり、削ったり、またその先端部(ハート)の繊維にカッターで小さく横に切れ目を入れるという加工法もあります。これによってリード全体の腰が柔らかくなります。リードのサイドの鳴りを改良するためには、裏側の平滑度を上げるのも有効です。リードは裏面側に微妙にカールしている場合があるので、平滑度の高い面でやすりを掛け、裏面を平坦にすることでサイドの「丸み」を除去するという理屈です。リード削りには細かいサンドペーパーや「トクサ(茎の表面がヤスリ状になったシダ科の植物)」を使います。またリードの平面出しには、ガラス板やアクリル板に細かいヤスリを貼り付けて使います。

 ヤスリやカッターの他に、小さなキリもリード加工に有効なようです。バンプの中央先端寄りに直径1mm程の穴を開けます。リード全体のしなり強度が変化する加工ですが、「縦に二つ」とか「横に三つ」とか、人によって「秘密の穴のパターン」があるようです。

 リードに手を加える際に大切なことは、リードを加工する前に、「このリードを何故鳴らないと判断したか」をはっきりさせておくことです。左右の鳴りのバランスが悪くて音が曇るとか、腰が部分的に硬いために振動が弱く、音量が出ない、またリードが全体で振動していない等の「類推」をしたうえで、それを改善するための加工をしましょう。どうせ「ダメ」で使わないリードです。どんどん加工して、使えるようになれば「ラッキー」って事ですよ。

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Written By: sax on 2月 14, 2018 No Comment

かつては「贅沢品(?)」だったサックススタンドも、最近では価格も安く、かつサイズもコンパクトになり、プロ・アマを問わず多くのサックス奏者が使用するようになっています。ただし、そのスタンドの普及ゆえの、「サックススタンド絡みの事故」も多く聞くようになっています。サックスをスタンド事故から守る、「スタンドさばきのコツ」を紹介します。

 スタンドさばきの原点は「スタンド選び」でしょう。やはり重量のあるスタンドは安定していますし、丈夫です。小型軽量のスタンドはそれなりのリスクを持っていると考えて良いでしょう。またサックスをセットした状態でのスタンドの「重心」も重要です。全体の重心がなるべく低く、床に近づくほど安全なスタンドと考えられます。セットしたサックスの最下部が床から数センチしか離れていない場合と、10センチ以上離れている場合を較べたら、サックスがスタンドごと倒れた際のダメージは、両者で格段の差があります。軽くてコンパクトで、持ち運びしやすいサックススタンドは、楽器に自分の目がしっかり届く練習時用。大勢の人が動き回る本番のステージ上では、重く頑丈で倒れにくいスタンド、と状況によってスタンドを使い分けるサックス奏者は数多くいます。

 サックスのスタンドはバリトン、テナー、アルト用では「U字」型のベルレシーバーで支える物がほとんどです。畳むと小さくなるコンパクトスタンドでも、何らかの機構で同じようにベルを挟みます。サックスをスタンドに置く際、一番気を付けなければならないのがこの「U字」にベルを引っ掛けるときです。スタンド事故のトップは「ペルがスタンドから外れてサックスが転倒」ですし、2番目は「引っ掛け方が十分ではなく、全体のバランスが崩れて、サックスがスタンドごと倒れる」です。まずベルレシーバーにはサックスを「引っ掛ける」のではなく、しっかりと「置き」ましょう。軽く押し込むぐらいが良いと思います。そしてその際にサックスの下部中心が、しっかりスタンドの中心と一致していることを確認しましょう。多くのスタンドがベルレシーバーとその下のガイド(U字管あたりが接触する部分)の3点でサックスを支えるようになっています。この下の部分がちゃんとサックスを支えていないと、サックスの転落の原因になります。「サックスをスタンドに置く」→「スタンド下部の中心を確認」→「サックスを軽く押して安定させる」、というのがスタンドセットの基本ルーティーンです。

 ストレートソプラノサックスやフルート用の「差し込み型」のスタンドでは、足の長さと本数がポイントとなります。円錐形や棒状のレシーバーを支える「足」が硬くて長くて多いほどスタンドは安定します。短くて柔らかい脚は危険です。また3本足、4本足の場合は楽器と一体になった時の「全体の長さ」との関係が重要です。足が長ければ不用意に引っ掛けてしまう事故も多くなりそうですし、逆に足が短くて簡単に倒れてしまっても困ります。この種類のスタンドは、見栄えやコンパクトさだけでなく、自分の楽器を装着してみたうえで選ぶのが良いでしょう。

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