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サックス マウスピース

Written By: sax on 4月 25, 2018 No Comment

どうにもこうにも答えられない質問のひとつに、「XXのマウスピースを使っています。このマウスピースに合うリードを教えてください。」、というのがあります。結論から言ってしまうと、マウスピースとリードの相性の良い組み合わせ、…なんてありません。奏者が吹き易く、欲するサウンドが出れば、どんなマウスピースにどんなリードを合わせても構いません。うーん、本当にそうなのでしょうか?
 バンドレン製のリードはバンドレン製のマウスピースでチェックされると思います。多分ね…。マウスピースのチェックという、逆の場合もそうだと思います。リコ社もマウスピースもリードも出していますので、同じかもしれません。しかし沢山のリードタイプのうち、どのタイプをチェックに使うかを類推するのは難しいので、「同じメーカーのリードとマウスピースは相性が良い」とは簡単に言えないかもしれません。ただし想像するに、「良い音」という曖昧なものに対する基準は共通しているのではないかと思います。そういう意味では、同じメーカーのリードとマウスピースは相性が良いのかもしれません。

 ティップオープニング(マウスピース先端の開きの大きさ)が大きいマウスピースには柔らかいリード、狭いティップには硬いリード、というのが一般的な組み合わせです。この常識も経験値でしかありません。狭いティップのマウスピースに柔らかいリードをセットすると、息の力でマウスピース先端にリードがくっ付いてしまい、音が出なくなってしまう場合が少なくありません。逆にティップの広いマウスピースに硬いリードをセットすると、リードを鳴らさずに息がマウスピースの中に入って行ってしまう場合があります。吹いても「スー」、吹いても「スー」です。これらの両極端の例にならないティップオープニングとリードの硬さの組み合わせが、「使えるセッティング」という事になるでしょう。ティップの広いマウスピースは、太くて大きな音が出し易く、ジャズテナー奏者の間では人気があります。狭いティップのマウスピースは、一般的にコントロールし易く、音程のピッチのブレも最小に押さえられます。ソプラノサックス奏者には、狭いマウスピースが好まれるようです。
 マウスピースのバッフル(リードに対面するマウスピース内部のリードとの距離。近いものをハイバッフル、遠いものをローバッフルと言います)の高さやボア(マウスピース内部の形と大きさ)のタイプによってもリードとの相性があります。ハイバッフルには硬いリード、ローバッフルには柔らかいリード、ラージボアには柔らかいリード、スモールボアには硬いリードを組み合わせるサックス奏者が多いようです。リードの振動の根元、「腰」の位置もサウンドや吹奏感に影響します。どれとは名指しは出来ないものの、やっぱりマウスピースとリードの相性って有るのかもしれませんね。ただ、吹くのが人間という個性豊かな存在ですので、きっとドンピシャの正解というのは無いのでしょう。吹いてて気持ち良いセッティング。これが一番です。

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Written By: sax on 2月 21, 2018 No Comment

シンリップ、ファットリップ、ダブルリップ等、サックスのアンブシャ(マウスピースの咥え方)は色々です。そしてそれらのアンブシャタイプも奏者によって微妙に変化します。またアンブシャを変化させると音質や音の安定性が激変します。サックス奏者にとってアンブシャは、目標のサウンドを実現するための「試練」であったり、時折自分を襲う「不安」だったり、答えの出ない「研究対象」だったりもします。どんなアンブシャが良い、とかいう長くなりそうな話は置いておき、サックス演奏のアンブシャの原点を考えてみます。

 サックスのアンブシャは「パラドックス」そのものだ、という人がいます。パラドックスとは矛盾やジレンマ、逆説などと訳されますが、「一見間違っていそうだが正しい説」、もしくは「一見正しく見えるが正しいと認められない説」等を指して用いられます。アンブシャのどこがパラドックスなのでしょう。それはサウンドを作り出すリードの自由度と、そのサウンドのコントロール性の関係がパラドックスを生んでいるということのようです。やや哲学的な解釈はここまでにして、具体的な矛盾の例を説明しましょう。ファットリップは上下の唇の力のみでマウスピースを咥え、息を吹き込んでリードを振動させるアンブシャです。リードを締め付ける力が少なく、リードは最大限に振動することが出来ます。しかし音のコントロールは大変難しく、安定した音を出すためには相当な訓練が必要です。シンリップは逆に、マウスピースをかなりの力で締め付けるアンブシャです。音のコントロールは非常にやり易いアンブシャですが、リードを鳴らし、太く大きな音を出すことと両立するためには、こちらも高い技術が必要です。

 サックスを楽器として機能させるためには、音のコントロールが必須です。正しい音程で、求められたタイミングで音を出し、意図した音の大きさで、意図した長さの音を出すことが 「コントロール」です。そしてサックスの誕生と同時に生まれたのがシンリップです。長きに渡り、クラシックサックスの世界では「王道」のアンブシャです。しかしサックスが色々なジャンルの音楽で活躍するようになってくると、「これがサックスの限界なの?」、「もっと面白いサウンド出せそう」、とかの欲が出てきました。そしてサックスの音の源泉であるリードの振動を、より自由にしてあげようというアンブシャが考えられ出しました。しかしリードに自由度を与えると、コントロールが難しくなりました。豊かな太いジャジーなサウンドでも、音程が悪すぎれば音楽になりません。吠えるような轟音でも、音のタイミングは重要です。サックスのアンブシャは、何かを得るためには何かを捨てなければいけないのかもしれません。そして捨てる物と得る物の価値は、プレーヤーひとりひとり、それぞれによって違います。アンブシャの基本形はあっても、それが自分の欲しいサウンドを作り出してくれる保証はありません。

 シンリップは正しくもあり間違っている。ジャズで標準的なファットリップも、正しくもあり間違ってもいる。確かにパラドックスです。重要なのは捨てる物と得る物に対する、「あなたにとっての価値」を自覚することではないでしょうか?

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Written By: sax on 11月 8, 2017 No Comment

サックス本体の次に大事な存在、マウスピース。いや、マウスピースが無ければサックスは音が出ませんから、実はサックス本体よりも重要かもしれません。あなたのサックスのサウンドの特徴も、フレーズのコントロールも、また楽器の吹き易さもマウスピース次第です。マウスピースに関する「細かい注意点」についてお話しします。

 ポップス系、ジャズ系のサックス奏者の中には、マウスピースの「状態」に関して無頓着な方が少なくないような気がします。演奏した後は、サックス本体にスワブを通して水分を取り、マウスピースの中にも小型のスワブを通して、「お手入れおしまい!」、ってパターンです。このパターンのサックス奏者は多いですよね。それどころか、「何にもしないでケースに収納!」、なんて超ズボラサックスプレーヤーだって少なくありません。このような演奏後のお手入れでは、マウスピースの周りに唾液のタンパク成分がこびり付き、それが積層していき、和菓子の「きんつば(あんこの周りを小麦粉の衣を塗って焼いたもの。分かるかなあ?)」のようになってしまっています。「いやあ、自分以外吹かないし、音にも関係しないから良いでしょ。」、という言い分が多いようですが、マウスピースの汚れは、実はサウンドの質に対して決して無関係ではありません。

 ちょっと話を別の視に移しましょう。マウスピースパッチです。マウスピースに歯形が着くのを防いだり、前歯に伝わる振動を抑えるために、マウスピースの歯が当たる部分に貼るシールです。クッション性や歯の滑り具合などから、厚いもの薄いもの、硬いものソフトなものと、数多くの種類が出回っており、奏者によって好みが分かれるようです。このマウスピースパッチによって、吹くときの奏者の感覚だけでなく、サックスから出てくるサウンドも変わることをご存知でしょうか?厚手で面積の広いマウスピースパッチを貼った場合のサックスのサウンドと、マウスピースに何も貼らない場合とを較べると、パッチを貼った音はわずかに「輪郭の甘い音」に感じると思います。その理由は、マウスピースパッチがマウスピースの振動を吸収する、「吸音材」になってしまっているからです。サックスのサウンドの源泉の振動を作り出すマウスピースですので、ちょっとした事でもサックスのサウンドに影響が出てしまう訳です。

 話をマウスピースの汚れに戻しましょう。もうお分かりですね。こびり付いたタンパク汚れやメタルマウスピースの「サビ」は、マウスピースにパッチをべたべたと貼りまくっているのと同じことです。この汚れによって、サウンドが「眠く」なります。また経年変化で素材が劣化したもの、落として内部に見えない傷があるもの、などなどマウスピースの振動を本来のものから変化させてしまいます。高品質なエボナイト(ハードラバー)は経年変化が少ないようですが、安価なもの、アクリル系樹脂等は数年で「寿命が来る」とも言われています。マウスピースは大切に扱ってくださいね。
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Written By: sax on 5月 31, 2017 No Comment

サックス奏者にとって、マウスピースはサウンドの根源となる重要な部品です。サックスを長く吹いていると、自分のサウンドや吹き易さを求めて、いくつものマウスピースをとっかえひっかえ使うのは珍しい事ではありません。マウスピースに「憑りつかれた」マニア達には、マウスピースの種類やその特徴、基本的な理論について、後ずさりするくらい詳しいひとたちが少なくありません。そんなマニアックな知識はともかく、「知っても得はしないが損もしないマウスピースの基礎知識(?)」をお話ししましょう。
 ラバーマウスピースは柔らかい音、メタルは硬い音。マウスピースの特性の常識のようこ言われていますが、実はこれは間違いです。キンキンと尖ったサウンドのラバーマウスピース、ダークでソフトなサウンドのメタルマウスピースも沢山有りますし、むしろ全体的にこちらの傾向のほうが強いと思います。しいて特徴として挙げるなら、ラバーマウスピースはサウンドのエッジがシャープな傾向があり、メタルはその逆、サウンドの輪郭が柔らかいものが多いようです。混同してはいけないのが、サウンドの輪郭と倍音成分です。サウンドの輪郭がソフトでも、高音域の倍音成分が多ければ、いわゆるモダンで鋭いサウンドになり、サウンドの輪郭がシャープでも倍音が平均的に豊かであれば、クラッシック系のサックスのような柔らかく豊かなサウンドになります。
 倍音の成分構成はバッフルの高さでおおよそ決定されます。マウスピースのリードの上にある「天井」がバッフルで、リードに近いものをハイバッフル、遠いものをローバッフルと言います(上下逆のような気がしますね)。マウスピースを輪切りにした断面で息の通り道を考えると、ハイバッフルは、「狭い・空気少ない」、ローバッフルは、「広い・空気沢山」となります。狭いところを通過する空気はスピードが速くなります。逆に太い空気はスピードが遅くなります。その原理でハイバッフルのマウスピースのサウンドは明るくシャープで、少ない息でも十分な音量が出せ、ローバッフルは太くソフトなサウンドで、より多くの息を必要とします。
 もうひとつの見て分かるマウスピースのサウンド傾向は、「皮下脂肪」です。ま、普通に言えば「肉厚」ですが…。細身のマウスピースは高音域が強い明るいサウンド、太めのマウスピースは低音部が豊かな温かいサウンドと、マウスピース全体の太り具合(太さ)もサウンドに関係しますが、加えてマウスピース内部の空洞を包む、「壁の厚さ」も大きくサウンドに影響します。厳密に言うと、肉厚とその材質がマウスピース全体のサウンドの個性を作ります。マウスピースが出す音の振動を封じ込めるような「柔らかく厚い壁」を持つマウスピースは、ダークで抑制のきいたサウンド特性を持ち、指で弾けば「キンキン」響くような、音を外に発散するような「硬く薄く響く壁」のマウスピースは、明るく、大音量のサウンドを放ちます。どうですか?マウスピースを見ただけで、なんとなくサウンドギャラが想像できるようになりました?

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Written By: sax on 5月 10, 2017 No Comment

最近の100均は奥が深い。かつては、「これが100円?凄い!」が基本的な100均の感想でしたが、今では、「こんな物まで100均で売ってるの?」、という感想のほうが多い気がします。とにかく100円ショップでの買い物は発見が多くてめちゃ楽しいですよね。そんな100円ショップで、サックス演奏に関わる多くの便利グッズを仕入れてますので、そのいくつかをご紹介します。
 「椅子の靴下」というものを100均で見かけたことはありませんか?椅子の四つの足に履かせるニットや布のカバーで、椅子の足を覆って床に傷がつかないようにするものですが、見た目はまるで赤ちゃん用の小さな靴下みたいなものです。これがマウスピースのケースにドンぴしゃなんです。サイズがテナーやアルトのマウスピースにぴったりで、尚かつクッション性があってマウスピースへのダメージも防げます。必ずしも椅子の靴下にこだわらなくても100均には膨大な種類の小物入れが「生息」していますので、気長に探せばあなたのニーズに合致した「入れ物」が見つかると思います。特にウェットスーツのようなウレタン生地でできた「クッションバッグ」は大きさのバリエーションが豊富なので、メトロノームやチューナー、コンタクトマイク、譜面ライト、ケーブル類等のケースにピッタリなものが探せます。入れる物主体で入れ物を探すのが普通ですが、品目の種類が多い100均では、入れ物を見ながら、「それに入れる物」を考える、というのもお勧めです。「あ、このポーチ。スワブを入れるのにちょうど良いじゃん!」、なんて探し方も良いと思います。
 100均で是非揃えたい(?)のが、「譜面整理系文房具」です。透明のシート状のフォルダで文書をまとめる「クリアファイル」は、譜面の整理にピッタリです。色々な色がありますので、曲のジャンルや使うバンドによって色分けするのも良いでしょう。譜面の入ったクリアファイルを入れるための「書類ケース」も100均で揃えてしまいましょう。A4やB4など、大きさも豊富ですので、中に詰め込む譜面の量によって選びましょう。屋外の演奏で必須な、クリアブックも100均で売っているようです。譜面を入れて、ページを開いて洗濯ばさみで譜面台に留めれば、屋外の多少の風でも譜面が飛ばされることがありません。譜面用には、開いた状態がなるべく平坦になるような綴じ代のブックが良いと思います。100均のクリアブックは総じて収納ページが少ないのが難点ですが、文房具店のクリアブックは軽く千円を超える物ばかりですので、工夫して100均クリアブックが使えるなら、それに越したことは無いでしょう。
 その他にも、シールやゴムバンド、ペン立や名札など、みなさんの楽器ライフに役立ちそうなものが、沢山100均の棚に並んでいます。音楽家の為の道具があるのは、楽器屋さんだけじゃありませんよ。

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Written By: sax on 2月 15, 2017 No Comment

サックスのマウスピースの材質は多種多様です。昔ながらのハードラバー(エボナイト)製。メタル素材では一般的な真鍮ばかりでなく、ステンレススチールやアルミニウムが使われているものもあります。新しい合成樹脂素材ではABS樹脂やアクリル、ポリカーボネート等も使われています。サックス奏者にとって音の根源であるマウスピースは、自分のサウンド作りに欠かせない大切な部品です。価格も超高価なヴィンテージの逸品や、職人のハンドメイドもの、精密加工機で製作される現代的な名品と、マウスピースを選ぶのは本当に大変です。この大事なマウスピースの「寿命」って考えたことがありますか?
 結論から先に言えば、「マウスピースには寿命があります」。サックスの演奏中、マウスピースはリードの振動とともに「震えて」います。しかもマウスピース全体に均一な振動をしているのではなく、先端、リガチャー接触部、シャンク(ネック接合部)では異なる振動をしています。この部分的に異なる振動はねじれを生み、マウスピースの各部に「ストレス」を与えます。ストレスはマウスピースの材質の強度に細かな変化を与え続け、最終的には「振動する構造としての機能不全」を起こします。簡単に言えば、「マウスピースは長年吹き続けることによる振動の蓄積で、いつか鳴らなくなってしまう」、ということです。 しかし、その寿命は素材の初期状況や演奏の際のストレスの大小、演奏の頻度等、多くの要素が絡み合うので、何時間、何年間でマウスピースが寿命を迎えるのかはまったく予測することは出来ません。また寿命があると考えると、寿命に向かって徐々に変化をして行くわけで、その変化を「熟成」や「成長」と捉えることもできます。新品のマウスピースがある状態に変化し、そのサウンドが変わって来た時、あるプレーヤーは、「このマウスピースは死んだな」と言い、別のプレーヤーは、「やっと枯れて来た」と言うかもしれません。

 50年以上前に製造されたヴィンテージマウスピースが、市場で高価で取引されています。 「腕の良い職人によって作られた名作は、50年以上経ってもその時代の音で鳴ってくれる」、というのは間違いです。マウスピースの材質は、どんなものでも「経年変化」します。完全に昔と同じ音では無いはずです。それでも「良い音」なのは、良質なマウスピースは良質な変化をする、ということです。奏者が受け入れられる上質な変化は、決して「死への過程」ではなく、むしろそのマウスピースの「味」や「性格」でしょう。
 このように、何もしなくてもマウスピースは歳を取ります。ましてや傷や欠け、ショックによる内部刺激は、その機能にダメージを与え、本来のサウンドが出せなくなってしまいます。マウスピースを大切に扱い、その変化に寄り添い、長く付き合ってください。

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Written By: sax on 2月 8, 2017 No Comment

サックスプレーヤーの皆さん、サックスのサウンドや吹奏感は、口に近い部品ほどその影響が大きいと言われています。マウスピースやリガチャー、リード、高価なところではネック等のパーツには、多くのサックス奏者の皆さんがこだわって、かつお金を掛けていることでしょう。しかし、何か忘れていませんか。あれです、マウスピースのキャップです。「だって、吹くときには外しちゃうから、サウンドに関係ないじゃん。」、とお思いでしょう。確かにキャップは演奏時には外してポケットに入れたり、その辺に置いておいたりします。あまり目立たない存在です。でも、もしあなたのマウスピースキャップがこんなだとしたら、ちょっと放っておけないと思います。
 「マウスピースに被せると、キャップがリードに触る」。致命傷です。キャップが必要以上に深く被さるようになっていると、当然ながらキャップの天井がリードやマウスピースの先端にあたっている場合があります。 リードが損傷し、マウスピースの先端が傷付きます。天井に穴が開いているキャップなら目視で注意できますが、塞がっているタイプなら、マウスピースに被せてみて底の位置をチェック、キャップを被せずに横に並べてその位置に合わせましょう。キャップの天井からマウスピースの先端が、数ミリ以上離れていればOKです。「リガチャーやマウスピースを擦ってしまうキャップ」。意外と恐ろしい結果が待っています。マウスピースの直径や形状に対し、口径が狭く、かつ金属製のキャップでは、キャップをマウスピースに被せる度に、マウスピースの外周をキャップの端で擦って傷つけてしまう場合があります。価格の安い金属キャップは、開口部の内側が尖っている(やすりで丸く加工されていない)場合が少なくおりません。大事なマウスピースやリガチャーが傷だらけ、という事になりかねません。「リードの面に触るキャップ」。無さそうでたまにあるキャップの不具合です。マウスピースのテーパー(次第に細くなる形状)の角度、使用しているリガチャーの厚さ等が悪さをし、キャップを被せると、マウスピースに対し曲がった角度で入っていき、キャップの内部がリードに、特にリードの先端平面部に擦れてしまう場合があります。このような場合には横から見るとキャップが異常に上を向いているので、ちょっと注意深く観察すれば気が付くでしょう。

 慎重派のサックス奏者は、マウスピースを仕舞う際、マウスピースにガーゼ等を数せてからキャップをし、全体をクロスで包みます。マウスピースの先端を守るためです。同様に、ダメになったリードをリガチャーに装着し、その先端をマウスピースの先端より外に出るようにしてキャップをするのも良いでしょう。キャップでリードの乾燥を防ぐプレーヤーも沢山います。穴の開いたキャップの穴をテープ等で塞いでしまえば、リードが空気に触れて乾燥するのを防ぐことができます。またキャップ内に湿った紙や布を張り付けているプレーヤーもいるようです。キャップって、大事でしょ?

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Written By: sax on 2月 2, 2017 No Comment

サックス細かすぎるポイント第?段!誰も教えてくれないのに、サックス奏者は皆しなければならない事。でもそんなに頻繁には必要ない。何でしょう?ネックコルクのグリシングです。つまりコルクグリスの塗り方です。ええっ?そんなとこまで気を使うの!ってレベルでコルクグリスについてお話しします。
 最近のコルクグリスは、くり出し型のリップスティックタイプになっており、クリクリと筒から少し出して、そのままネックコルクに塗れるようになっています。しかしそのやり方は「×(バツ)」です。グリスがコルクの上に「置かれている状態」にしかならないので、マウスピースを挿せば、グリスは剥がれてしまいます。コルクにグリスを塗った後、親指と人差し指でゴシゴシと、グリスをコルクに「擦り込んで」ください。コルクにグリスを浸み込ませることで、コルク表面の滑りを長期間キープすることができます。この「擦り込み」の際は、コルクグリスの粘度が低いほうが良いでしょう。温度が低くてグリスに「粘り」が多いと、コルクへの浸み込み具合が低くなります。息で温めるだけでもグリスはかなり溶けますのでお試しを。
 グリスはコルクの全体に塗る必要はありません。マウスピースをネックに挿す際に、マウスピースのシャンクがスムースにネックのコルク部で滑ってくれるようにするのがコルクグリスの役割です。ネックコルクの先端1/4ほどはグリスを塗る必要はありません。逆に先端までグリスを塗り過ぎると、ネックの先端からグリスがネック内部に入り込み、埃を吸着して汚れの原因となりますので注意してください。ネックコルクにグリスを塗り、ネックをマウスピースに差しこむと、余分なグリスがマウスピースの後端に溜まります。この余分なグリスは乾いた布やティッシュで必ずきれいに拭き取りましょう。
 グリスはサックスにとって、実は好ましいものではありません。粘着性のあるオイルですので、ほんの少しでもそれがサックスのどこかに付着すれば、埃がそこに吸着し、汚れとなります。可動部であれば、グリスに付いた埃は「やすり」のように部品を摩耗させ、故障の原因となります。クロスで拭き取っても、グリスは薄く広がるだけで、溶剤を使わなければ完全に拭き取ることは出来ません。コルクグリスを扱うときは、ネックコルク以外のいかなる部分にも絶対に付着しないよう、細心の注意を払ってください。また「滑らす」という効果はグリスだけでは完全に発揮できません。グリスを塗ったコルクの上に水分があると、マウスピースが良い具合に滑ってくれます。マウスピースをネックに挿すときに、コルク表面にハアーっと息を吹きかけたり、ぺろっと舐めたりして湿らせると、スルッと気持ち良く差し込めます。是非お試しを。

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Written By: sax on 12月 27, 2016 No Comment

こういうブログを書いていると、多くのサックス奏者の方々からいろいろな質問をいただきます。それらのなかには、非常に答え難い質問も少なくありません。しかもそれは定型化しています。ある意味、「サックスに関する答え難い質問あるある!」です。
 「XX社のテナーを吹いています。このサックスと相性の良いマウスピースを教えてください」。回答に困る質問のナンバーワンです。「相性」は非常に曖昧な言葉です。この質問で言っている「相性」が、吹き易さなのか、コントロールのし易さなのか、はたまた、質問者が求めているサウンドを生み出すための相性なのかが分かりません。この質問の意図が伝わる言葉に直して、「XX社のテナーを吹き始めた初心者です。付属のマウスピースにRICOの2番のリードで練習していますが、細い音しか出せません。マウスピースを替えたいと思いますが、どんな候補かあるでしょう。」、ならなんとか答えられます。もしくは、「XX社のテナー、モデル999を吹いています。付属のマウスピースのサウンドが、私のやりたいジャズの音に遠い気がしています。このサックスに合う、ジャズらしい音が出せるマウスピースを教えてください。」、などという、現状と目的、どういう風に答えて欲しいかがある程度はっきりしていれば、答えに窮することもありません。いずれにしろ、この手の質問に対して「正解」はあり得ませんので、具体的に質問していただければ、自分の経験からくるアドバイスを、より適切に返せると思います。

 「ロングトーンが長く続きません。正しい腹式呼吸の方法を教えてください」。練習方法に関する質問も、答え難い場合が少なくおりません。100人のうち100人に適合する「完全に正解な奏法」はそんなに多くはありません。人間と楽器の関係ですから、状況や奏者の個性、楽器の性能に応じて奏法や練習法はそれぞれ微調整が必要です。勘違いのアドバイスをして、その奏者が体を壊してしまう場合も考えられます。「ロングトーンが続きません。ロングトーン練習時の適切な音量と音域を教えてください。」や、「ロングトーンが続きません。先輩は同じ音で同じ音量で、私の3倍の時間を延ばせます。チェックすべきポイントを教えてください。」、「ロングトーンが続きません。何故こんな練習が必要かも分かりません。ロングトーンは何故必要なのですか?」、のような質問なら答えようがありそうです。
 決して、「こんな質問は嫌だ!」、なんて話をしているわけではありません。サックスや楽器、奏法に関するアドバイスを的確に受けるためには、質問する側もちょっと考えて、質問の内容を分析したうえで質問すれば、すぐに自分の役に立つ、より適切な回答を得られ易い、ということを覚えておいていただきたいと思います。このブログヘの質問だけでなく、友人や先輩、指導の先生への質問も、「自分なりに分析して」投げかければ、最高のアドバイスをゲットする確率も上がると思います。
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Written By: sax on 12月 20, 2016 No Comment

サックスの消耗品といえばリードですね。サックス奏者は一生のうち、かなりの金額をリードの購入に費やします。そして第二の消耗品といえば「パッド」です。多分単価はリードよりも高価です。管体の下半分のパッドはそんなに頻繁に交換の必要ありませんが、管体上半分の、ネックに近い部分ほどパッドの痛みは激しくなります。「濡れる」、「乾く」が繰り返されることで、パッドの弾力性が失われ、徐々に硬くなっていき、最後には卜-ンホールヘの密着度が損なわれ、エアー漏れを起こすようになります。一番上の3、4個のパッドは、出来れば1年に一回は交換が必要でしょう。サックスを酷使するプロの奏者であれば、もっと高い頻度でパッド交換します。今回は、パッド周りのこだわりメンテナンス。上手くパッドと付き合うヒントを二・三、お話しします。

 パッドの延命に高い効果があるのは、演奏中、練習中ともに、こまめにパッドの水分を拭き取ることです。吸水ペーパーを常にスタンバイしておき、ちょっとの休憩の際に「ソ」より上のパッドの水分を拭き取りましょう。吸水ペーパーをパッドとトーンホールの間に挟んで押さえつけ、「グイッ」と引き抜く方がいらっしゃいますが、この方法はお勧めできません。ペーパーの繊維がトーンホールのエッジに残ってしまいます。トーンホールとパッドの間にペーパーを挿入し、軽くパッドを閉めるだけで十分です。吸水ペーパーの替わりに1ドル札を使うのが、昔から「粋な方法」として伝承されていますが、新品のお札は水分をあまり吸ってくれません。またティッシュでの代用は、水分は吸いますが、繊維が残るので「×」です。
 パッドを長持ちさせ、トーンホールの気密性を維持するための、隠れたポイントがあります。それは卜-ンホールのエッジ内側です。繊維カスが残るので、パッドの水分拭き取り時には要注意とお話ししましたが、このポイントを疎かにすると、かなり怖い結果になります。サックスの掃除で管体内にはスワブを通しますが、スワブは立ち上がったトーンホールの内側は掃除出来ません。しかしここにも水分は着きます。水分にホコリが付着すると汚れが定着します。トーンホールのエッジ内側は、放っておいたホコリが「固着」してしまっているケースが非常に多いのです。いくら吸水ペーパーでパッドの水分を拭き取っても、この汚れに水分が吸収され、パッドを濡らし続けます。またエッジ内側のホコリが積もり積もって、トーンホールとパッドの間に隙間を作ってしまう場合もあります。エッジ内側の掃除は、専用の「モール」で出来ます。針金の周りにブラシが付いたあれです。先端を曲げてトーンホールの内側、エッジ際を優しく擦りましょう。細かい作業が得意な方なら、綿棒の先をタイツと曲げ、エッジの内側を掃除することも出来ると思います。トーンホールのエッジの内側の掃除をお忘れなく。

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